移動体通信メディアが若者の人間関係および生活行動に与える影響
−ポケットベル・PHS利用に関するパネル調査の試み−

はじめに
 近年、日本における携帯電話・ポケットベル・PHSなど移動体通信メディアの発達はめざましいものがある。その特徴の一つに、加入者の増加が急激で大規模におきていることがある。たとえば携帯電話は、92年3月に137万だった加入者が96年9月には1530万と、ここ4年間で10倍以上に増えている。また95年7月にサービスを開始したPHSも96年3月に150万人、96年9月に395万人と、こちらも急速に加入者を伸ばしている。ポケットベルも91年3月には508万人だった加入者が96年3月には1061万人と、5年間で2倍になった。いまや移動体通信メディアは一部の人のものではなく、だれでもが持つ時代となりつつある。第二に、利用の一般化にともなって、これまで主に業務用に使われていたものが、日常生活の中で私的に使われるようになったことがある(1)。かつては専ら営業マンの呼び出しなどに使われていたポケットベルが、若者たちによって、待ち合わせや、ちょっとしたメッセージの伝達に使われるようになったことなどは、そのよい例である。またこれまでのいくつかの調査によれば、仕事に使う携帯電話も私用に使うことが多いし、PHSも私的利用がメインとなっている(2)。
このように生活の中に急速に移動体通信メディアが普及してきたとき、もっとも関心をひく問題は、これらのメディアが生活にどのような影響をもたらすのか、ということであろう。たとえば女子高校生に人気のポケットベルは、多くの高校でその所有が禁止されている。ポケットベルは夜間外出を増やし、非行の原因となると懸念されているからである。
また、文字や数字を使った若者のポケットベル・コミュニケーションは、その間接性と、返事をする必要がないという一方向性から、表層的な人間関係と関わりがあるのではないかと指摘されている。あるいは子供がPHSを持つことで親の関与しないコミュニケーションが増え、家族がバラバラになるのではないか、という心配もある。また、自動車運転中の携帯電話の利用は運転に悪影響を与え、交通事故を増やすのではないか、などという問題もある。
 しかし、メディア利用の影響を正確にとらえるのは、そう簡単なことではない。もっとも安易な方法はメディアの技術的特徴やサービスの特徴からその影響を類推することだが、利用法によっては同じメディアでも全く逆の影響が現れることもある。たとえば、ポケットベルは、いつでも呼び出すことができるから利用者の自由が拘束される、と推定されるかもしれないが、呼び出しを無視することが許される利用文化がある場合、ポケットベルは電話や訪問に比べて、むしろ自由度を増大させることになる。このように、技術やサービスの特徴から影響を推定することは避けるべきで、実際の利用法を明らかにした上で影響を考える必要がある。
 第二の問題は原因と結果の関係性をとらえることである。たとえ実際のメディア利用と特定の生活行動や態度の間に関係があったとしても、メディアの影響という場合には、前者が原因で後者が結果であることを示さなくてはならない。たとえば夜間外出行動や非行とポケットベル所有の間に関係があった場合、もともと夜間外出が多くて連絡が取りにくかった者が、その生活状況にあわせてポケットベルを採用したのか(利用の状況依存性)、それともポケットベルを持つことによって呼び出されるようになり、外出しがちになったのか(利用による影響)、あるいは状況依存性と影響の両方が同時に作用しているのか、慎重に検討する必要がある。
 このような問題意識をもとに、本論では第一に、その際利用者として若者(大学生)に焦点をあてる。それは利用のほとんどが私的領域での利用と考えられるからである。第二に、移動体通信メディアとしてはポケットベルとPHSを取り扱う。大学生では携帯電話を利用している者はまだ少なく、ポケットベルとPHSが彼らの主要な移動体通信メディアだからである。第三に、生活領域としては生活行動と人間関係の取り方をとりあげる。具体的には、移動体通信メディアの利用は在宅時間を減らしたり、夜間外出回数を増やすなど外出性を高めるのか、あるいは表層的人間関係を助長したり、対面接触を活発にするなど、人間関係に影響を与えるのか、といった点を考える。本論では1996年に大学生に対して行った2回のアンケート調査をもとに、@若者のポケットベルやPHSの利用様態、Aそれらの利用と彼らの生活行動や人間関係の間の相関関係、そしてBポケットベルやPHSが若者の生活行動や人間関係にもたらす影響について明らかにしていく。
1.先行研究
@ポケットベル 
 ポケットベルは日本では1968年にサービスを開始し、移動体通信としては最も歴史のあるメディアである。しかしそれにもかかわらず、その利用や影響についての研究はこれまであまりなされてこなかった。利用者率や利用者属性についての調査(3)があるほかは、中村が1993年に行った調査(中村,1996.b)がある程度であった。ここでは、数字の語呂合わせによるメッセージ伝達がよく行われていること。内容としては「待ち合わせ」に関するものが最も多い一方、単なる「挨拶」や「感情伝達」もかなり行われていることなどがわかった。この調査では、若者のポケットベル利用の実態はある程度わかったが、生活への影響についてはとりあつかわれなかった。しかし、最近になって研究の活発化がみられる。木下ら(1996)の一連の研究がそれだ。同グループでは、たとえば大学生67人にポケットベルを与え、4ヶ月間利用させる実験をおこない、対人関係の変化を調べている。その結果、友達が増えるなどの対人関係の開拓機能は大きくないこと、以前からの友人との親しさが増したり、会う回数が増えるなどの、つき合いの変化への影響も少ないこと、ソシオメトリー面では4集団中1集団だけで下位集団間のネットワークができたこと、などを発見している。また、同グループでは大阪市内のある高校の生徒377人に、利用実態や利用後の対人関係の変化などについて、アンケート調査をしている。ここでは、ポケットベルだけで「話す」友達がいるとした生徒が17%おり、友達との接触回数が増えたという人が22%いたこと、などがわかった。さらに、少年鑑別所在所者582名に対する調査も行っている。その結果、利用開始後に交友関係が活発化したとする人が利用者の43.7%おり、会ったことのないポケベル友達は11.1%、ポケットベルがきっかけでできた友達は14.2%の利用者にみられた。しかし利用相手は親友、恋人、家族が多く、ポケットベルはおもに親しい関わりを維持するために使われていること、などが報告されている。
APHS
 PHS(Personal Handy phone System) は日本で開発され、世界で初めて本格的に実用化された簡易型の携帯電話である。世界的にはPCS(Personal Communication Service)の一つとされる。1995年7月からサービスが始まった新しいメディアであるために、その利用に関する調査研究もきわめて少ない。ある調査会社が95年12月に行った利用者調査はその一つだ(4)。それによると、加入者属性としては20代の加入者が最も多く(32%)、約8割が男性であった。利用頻度は1日平均2.6回で、通話相手は同性の友人、同居家族が多かった。一方、石井ら(1996)は96年1月にアステル東京の加入者を対象に利用実態を調査している。そこではPHS利用者の63.3%が「ほとんど私用」に使い、平均通話時間は短く、待ち合わせなど私的用事によく利用されていることがわかった。また、通信エリアの小ささについての不満が大きいことが両調査に共通していた。利用による変化を直接たずねたところ、公衆電話を利用する回数が減ったという人が72.5%いた。しかしサービス初期ということもあって、その他の変化はほとんど現れなかった。
B携帯電話
携帯電話の影響に関する研究の中で最も充実しているのは、通話が自動車の運転に与える影響についてである。たとえば、Brown(1969)は、運転中のヘッドセット型の電話による通話の影響として、速度の低下と判断ミスの増加を見いだしている。あるいはCalifornia Highway Patrol(1987)の研究では、運転中のダイヤル操作が車線どりに悪影響を与えることが発見された。またStein(1989)によると、携帯電話の車線取りに対する悪影響は、電話をダッシュボードに積んだ時よりもコンソールに積んだときのほうが大きいという。あるいはAlmら(1994)によると、運転中のハンドフリーの自動車電話による通話は@運転者の反応時間を増加させ、A運転が容易な状況下での車速を低下させ、B運転が困難な状況下では車線の逸脱を増加させ、Cあらゆる状況下で主観的な動作負担を増加させるとしている。一方Briemら(1995)によると、運転中のハンドフリーの電話機による、単純な会話はそれ自体運転に対する影響を持たなかった。しかし記憶テストを含んだ困難な会話は運転に影響を及ぼした。そして複雑な電話の操作は、とくに運転者の注意と技術を多く必要とする場面で、行動の低下につながった(ただしその影響は運転中のラジオのチューニングによるものの方が大きかった)、などとしている。これらの研究は、心理学を基礎とし、実際の走行あるいはシュミレーション・マシンをつかった実験的な手法によりなされている。これは携帯電話利用の影響といってもごく短期間の間に起こる人間行動の変化を見るには適した方法である。しかし今回取り上げようとする、より長期間にわたる、習慣的な行動や態度の変化を知るにはこうした方法は適していない。
一方、中村(1996.a)は利用者に対するアンケート調査から、仕事における車の移動という生活習慣が、携帯電話の利用とそこから得られる満足と関係していることを明らかにした。ここでは、両者の関連は演繹的にみて携帯電話利用の影響とはいえず、生活習慣にあわせて利用と満足がなされているとして、利用と満足の状況依存性が示唆された。
このほか、携帯電話の利用に関しては、利用者に対するインタビュー調査にもとづいたRakow(1993)や松田(1996)の研究がある。
 このように、携帯電話の運転への影響に関する研究をのぞくと、移動体通信メディア利用の影響に関する実証的研究は始まったばかりで、その蓄積はきわめて乏しいといえる。
2.調査
(1)調査と利用の概要
@方法
 調査は、同じ調査対象者に同一の質問を複数回行うというパネル調査を行った。調査対象者は松山市(5)にある二大学の授業参加学生である。調査日は出席率の最も高い最初の授業と最後の授業とし、1996年4月第3週と同年7月第2週の2回行なった。被調査者数は1回目が469人(男:35.4%,女:64.6%) 2回目480人(男:33.5%,女:66.5%)。そのうち1回目だけの被調査者が109人、2回目だけの被調査者が98人、1回目と2回目共通のパネルサンプルは371人(男:31.3%,女68.7%)であった。
 1回目と2回目共通の質問項目は各メディアの所有状況、利用頻度、友人数、昼食を他人と一緒に食べる頻度、生活時間、夜間外出回数、人間関係に対する態度などである。さらに1回目の調査ではポケットベルの利用について、二回目の調査ではPHSの利用について、利用動機、利用様態、利用で変わったこと、などをたずねた。
A利用の実態 表1  ポケットベル・PHSの所有率
まず所有率だが、ポケットベルは│       ポケットベル  PHS
第1回目は27.8%、2回目はわずか│ 1回目 2回目 1回目  2回目
に高い30.8%であった。全国的には│ 男 21.2% 17.5% 10.8% 14.4%
96年4月末から7月末のこの期間、加│ 女  31.5 37.4 4.3 11.9
入者は約1070万人で、変化しなかっ│ 全体 27.8 30.8 6.7 12.7
た。男女別では女子学生の方が10%ほど高い普及率となっている。注目されるのは男子学
生で2回目の所有率が落ちていることだ。男の方がPHS加入率が高いところを考えると、PHSに乗り換えた人が多かったのであろう。PHSの所有率は1回目は6.7%だったが2回目には12.7%とわずか3ヶ月間で2倍に増えている。全国的に見てもこの時期加入者は207万(4月末)から323万(7月末)へと急増しているから、ほぼそれに沿った形になっている。
 非所有者を含む全体の利用頻度は、ポケットベルでは、毎日が22.9%、週数回が18.9%、週1回が3.8%、月数回が9.2%、月1回以下が5.5%、利用しないが39.7%であった。PHSでは、毎日が6.3%、週数回が8.9%、週1回が5.3%、月数回が5.3%、月1回以下が6.8%、利用しないが70.4%であった(数字はいずれも第2回調査より)。いずれも所有率に比べて利用の頻度が多くなっている。これはポケットベルでは、発信は電話からなので所有していなくても利用できるからである。PHSの場合は、友達に借りての利用が入っているためと考えられる。
 よくやりとりする利用の相手はポケットベル、PHSともに友人(ポケベルで80.5%、PHSで86.9)や、恋人(ポケベル27.9%、PHS27.9%)が多くなっている。ただ家族とはポケットベルが15.6%なのに対してPHSは32.8%と後者のほうが多くなっている。
 ポケットベルの利用目的で多いのは、折り返し電話をしてもらうため(64.9%)、待ち合わせ時間や場所を連絡するため(51.9%)、友人・恋人と頻繁に連絡をとりあうため(39.3%)、ちょっとした気持ちを伝えるため(35.9%)などとなっていた(表2)。待ち合わせの連絡など、道具的に使われることが多いものの、「会話」そのものを楽しむような使い方もなされているようだ。また、やりとりしたことがあるメッセージとしては、電話して(49.2%)、おやすみ(38.5%)、どこにいる(38.5%)、おはよう(33.6%)、なにしよる(28.6%)、おくれる(26.7%)(数字は自由文でやりとりしたことのある人の割合)と、道具的なメッセージと、あいさつのようなコンサマトリーなメッセージが両方ともあった。
 一方PHSで話すことが多い内容をたずねたところ、待ち合わせの連絡(55.7%)、遊びの連絡(54.1%)、家族間の連絡(36.1%)など道具的利用が多い一方、おしゃべり(41.0%)といったコンサマトリーな内容も多かった(表3)。
     表2 ポケットベルの利用目的(%)MA. (第1回調査)
遊びの時待ち合わせ時間や場所を連絡するため 51.9 外出者同士が落ち合うため 30.9
友人・恋人と頻繁に連絡をとりあうため 39.3 単なる暇つぶしのため 21.4
頻繁に仲間が集まれるようにするため 8.8 就職活動のため 1.1
ちょっとした気持ちを伝えるため 35.9 深夜電話するため 30.2
折り返し電話してもらうため 64.9 その他      1.5
       表3 PHSで話すことが多い内容(%)MA. (第2回調査)
遊びの連絡 54.1 おしゃべり 41.0
クラブ・サークル関係の連絡 19.7 待ち合わせの連絡 55.7
家族間の連絡 36.1 仕事関係の連絡 11.5
近況報告 21.3 ポケットベルの返事 21.3
(2)利用者の特性
 次に移動体通信の利用者は、人間関係や生活行動上で、どのような特性を持っているのか、を相関関係のレベルで考える。
@ポケットベル利用と表層的人間関係
 最近、若者の人間関係が表層的になっていると指摘されている。たとえば大平(1995)は、「やさしさ」が現代青年の特徴的なパーソナリティーを表しているという。この「やさしさ」とは、相手の気持ちに立ち入らないようにしながら、なめらかで暖かい関係をつくろうとする人づき合いの方策のことである。似たような指摘は高橋(1988)や宮台(1994)によってもなされている(6)。こうした表層的な人間関係と、ポケットベル利用の間に密接な関係があると言われる。たとえば大平(1995)は、受け手にとって強迫的なところがなく、呼び出す側にとっても気が楽である点から、ポケットベルは「やさしい」人々にぴったりのメディアである、という。また岩間(1995)も、対人関係が淡泊な団塊の世代ジュニアがポケットベルを使うのは、広く浅い人間関係を維持するためである、と指摘する。
では、ポケットベル利用者は本当にこうした表層的な人間関係を取る傾向があるのだろうか。高橋(1988)、大平(1996)を参考にしながら、表層的人間関係を測定するために6項目の質問を用意した。この結果を整理するために因子分析(主成分解・バリマックス回転)にかけたところ、3つの因子が抽出された。第1因子(寄与率23.2%)は「親友といえども深刻な相談をして気をわずらわせるのは避けた方がいいと思う」「友達に頼ったり、頼られたりするのはわずらわしい」「友達とは自分の気持ちを話し合うよりも、あたりさわりのないおしゃべりや、だまってマンガを読んだりしている方が好き」など友人と表層的な人間関係をとろうとする態度の因子である。第2因子(寄与率18.8%)は「自分と友達の考えは違っていて当たり前だと思う」「人は裏では何を考えているかわからないと思う」など対人不信感の因子である。第3因子は(寄与率17.9%)は「友達とむきになってけんかすることがある」の1項目で構成される。これは表層的人間関係をとろうとする態度とは別の因子で、興奮しやすいパーソナリティーを示す因子と解釈できる。ここで第1因子を構成する3項目を表層的人間関係の態度を測定する尺度として採用した。すなわち、3つの項目に1度でも「はい」と答えた場合を表層的人間関係をとろうとする人、それ以外をとろうとしない人とした。その結果、調査対象者の33.1%が表層的人間関係をとろうとする者だった。
 一方、週に数回以上ポケットベルを利用すると回答した人をポケットベルの常用者とした。ポケットベル常用者は全体の34.8%だった。ポケットベル利用と表層的人間関係をクロス集計したところ、表層的人間関係をとろうとする人は非常用者では38.5%であったの
図1   ポケットベル利用と表層的人間関係 (第1回調査)
  表層的人間関係をとろうとする人 χ2:p<.01
  ポケットベル非常用者 ****************  38.5%
ポケットベル常用者    **********  23.5%
  に対し、常用者では23.5%にすぎなかった。(図1)。この差はカイ自乗検定の結果でも1%以下の水準で有意であった。つまり、言われているのとは逆に、ポケットベル利用者には、表層的人間関係を取ろうとする人は少なかったのである。この結果から、ポケットベルの利用が表層的人間関係を助長するとは考えられない。
Aポケットベル利用と対面関係の活発性
 これはいったいなぜだろうか。そのかぎは利用者の対面接触が活発なことにある。ポケットベル常用者は、人と会っておしゃべりをすることが多く、社交的な集まりにはよく出かけ、昼食も誰かと一緒に食べることが多い傾向があるのだ(表4)。こうした活発な対面関係が表層的人間関係をとろうとする態度を低くしているのだと考えられる。
     表4 ポケットベル利用と対面関係 (%) χ2:p<.001 (第1回調査)
│ │人と会っておしゃべり │ 昼食を一人で │ 社交的な集まり │
│         │をすることが多い │ 食べる人の割合(7)│によく出かける(8) │
│ポケベル常用者 │   76.4 │ 13.3 │ 59.4 │
│ポケベル非常用者 │   50.5 │ 32.9 │ 36.2 │
 次に、「人と会っておしゃべりすることが多い」「社交的な集まりによく出かけるほうだ」という質問に「はい」と答えた場合を1、「いいえ」とした場合を0、昼食を誰かと一緒に食べる割合が「半々」「一緒に食べることが多い」「ほとんど一緒」とした人を1、一人のことが多い人を0ととして、3変数を足しあげて対面接触の活発度を測る指標を作った。合計値が0及び1の人を活発度の低い人、2または3の人を高い人とした。その結果、対面接触活発度の高い人は59.1%だった。その上でポケットベル利用(常用=1、非常用=2)を従
 表5 ポケットベル利用(常用=1/非常用=2)を従属変数にしたロジスティック回帰分析
    独立変数           回帰係数(標準化)   p< (第1回調査)
人間関係の表層性(有=1/無=0)  -0.06    0.35
性別(男=1/女=2)  0.20  0.006
対面接触の活発度(高=1/低=0)  0.28  0.0001
属変数に、人間関係の表層性、性別そして対面接触の活発度を独立変数として、ロジスティック回帰分析にかけた。その結果、ポケットベル利用には性別と共に対面接触活発度が強く関係していた。対面接触の活発な人ほどポケットベル常用者が多いのである。そして人間関係の表層性は性別と対面接触の影響に吸収されてしまっていた(表5)。
B移動メディアの所有と対面接触および外出行動の関係 
 次に、以上のようにポケットベル利用と関係性の深い対面接触の活発性と、移動メディア利用と関係のありそうな生活上の移動性(とくに外出性)を取り上げて、ポケットベルやPHSの所有との関係を調べた。まずポケットベル所有と対面接触との関係だが、1回目、2回目ともに、所有者のほうが対面接触が活発な人の割合が高くなっている(表6)。2回目を例にとると、ポケットベル所有者では対面接触が活発な人が81.0%いたのに対して、非所有者では53.1%であった。この差はカイ二乗検定の結果でも1%以下の水準で有意であった。1回目でも同様の水準で有意差が出ている。一方PHSでも所有者は対面接触が活発な傾向がみられる。たとえば2回目調査ではPHS所有者では対面関係が活発な人が85.0%だったのに対し、非所有者では58.5%しかいなかった。この差は、カイ二乗検定で1%水準で有意であった。1回目でも同様の傾向はあったが有意差は出なかった。
   表6 移動メディアの所有と対面接触・生活行動の関係 (全サンプル)
│ │   │ ポケットベル │    PHS │
│ │ │ 1回目 2回目 │ 1回目   2回目 │
│ 対面接触の │所有 │ 76.6 81.0 │ 63.3  85.0 │
│ 活発な人(%)│非所有│ 52.4 ** 53.1 ** │ 58.4 ns. 58.5 **  χ2 │
│ 在宅時間 │所有 │ 11.8 12.2 │ 11.5 11.4 │
│ (h)│非所有│ 12.6 ** 12.7 ns. │ 12.4 ns. 12.7 *** ANOVA │
│ 夜間外出数 │所有 │ 2.42 2.32 │ 2.60 2.30 │
│ (回/週)│非所有│ 1.73 *** 1.87 * │ 1.88 * 1.92 ** ANOVA │
   * p<.05 ** p<.01 *** p<.001 ns.有意差なし
 つぎに、外出性の第一の指標として1日の在宅時間の長さをとりあげる。在宅時間が短いほど外出時間が長く、外出性が高いということになる。ポケットベルでは、第1回調査時の所有者の在宅時間が11.8時間、非所有者は12.6時間と、所有者の在宅時間が短く、外出性が高かった。その差は分散分析の結果でも1%水準で有意であった。しかし第2回調査ではその差は縮まり、有意差はなかった。一方PHSでも所有者の在宅時間は短く外出性が高い傾向がある。すなわち第2回調査では非所有者の在宅時間が12.7時間なのに対し、所有者は11.4時間と平均1時間以上も短くなっている。この差は0.1%水準で有意であった。第1回調査でも同様の傾向はあったが、有意差はなかった(表6)。
 外出性のもう一つの指標として、1週間あたりの夜間(午後10時以降)外出回数をとりあげる。第1回調査における夜間外出回数は、ポケットベル所有者で2.42回、非所有者で1.73回と、所有者の方が夜間外出回数が多くなっている。この差は分散分析の結果、1%水準で有意であった。同様の傾向は第2回目調査でもあり、こちらも5%水準の有意差が出ている。PHSでも同様に所有者は非所有者に比べて夜間外出回数が多い傾向がみられる。第1回調査では5%、第2回調査では1%水準と、2回ともその差は有意であった(表6)。
 このように、調査によって有意水準は異なるものの、ポケットベルやPHSの所有者は、@対面接触が活発な人が多く、A在宅時間が少なく、B夜間外出数が多い、という一貫した傾向が見られた。このように、ここでは相関レベルにおける、所有と人間関係や生活行動の関係性が確認できた。それではこれらの関係性は、ポケットベルやPHSの利用の影響によって生じた、と言えるのだろうか。以下では、第2回調査でその差が有意であった5つの関係を中心に、所有と所有者特性のあいだの因果関係について考える。
(3)メディア所有の影響
@直接質問
 因果関係を明らかにする方法の一つに、メディアを利用するようになって何が変わったか、を利用者に直接たずねる方法がある。この方法だと期間を限定しないため、累積的な影響がわかる反面、利用者の主観的判断に頼るため、意識していない変化をとらえることはできない。ここではまず、上述の5つの関係以外のものも含め、広く影響をみておく。
 第1回調査で、ポケットベル所有者に利用するようになって変わったことをたずねたところ、「よく会う人とのコミュニケーションが活発になった」という人が44.6%いた。また「あまり会わない人とのコミュニケーションが活発になった」という人も35.1%いた。このようにポケットベルはコミュニケーションの活発化をもたらしているが、「友達が増えた」という人は13.1%にとどまり、人間関係の広がりにはあまり貢献していないようだ。ポケットベルの人間関係だが、第1回調査では、「ふだんあまり会わないが、ポケットベルだけでコミュニケーションする相手がいる」と答えた人が所有者の30.0%いたものの、逆に「ポケベルをやりとりするのはふだんよく会う人ばかりだ」という人が所有者の62.3%に達している。一部には「ベル友」とよばれる、ポケットベルだけの人間関係もたしかに存在しているが、主流としては、ポケットベル・コミュニケーションは対面接触と重層的になされおり、既存の人間関係をより活発化する作用が大きいようだ。生活行動面では、外出が増えたという人は10.8%にとどまり、あまり影響はないようだ。
   表7 利用するようになって変わったこと (所有者のみ)
   ポケットベル MA.(%) PHS MA. (%)
外出が多くなった 10.8  公衆電話を使う回数が減った 77.6
在宅中の電話がしやすくなった 33.8  束縛感を感じるようになった 8.8
電話で話す回数が減った 21.5  孤立していないという安心感ができた 14.3
電話で話す回数が増えた 26.9  行動がより自由になった 48.3
よく会う人とのコミュニケー  親が安心するようになった 42.1
ション がより活発になった 44.6  夜でも気がねなく電話できるようになった40.4
あまり会わない人とのコミュニ  夜遅くまで外出するようになった 17.5 ケーションが活発になった 35.4  友達と遊ぶ機会が増えた 29.8
友達が増えた 13.1  電話を利用する回数が増えた 50.0
 一方PHSについては第2回調査で、所有するようになって変わったことを聞いている。その中で顕著なのは電話利用面の変化だ。公衆電話利用回数が減少したという人が77.6%に達した。これは先に述べたアステル調査(石井ほか,1996)の結果とも一致している。また、40.4%の人が深夜でも気がねなく電話できるようになったと答え、電話利用回数が増えた、とする人も50%に達している。意識面の変化でめだつのは、48.3%があげている「行動がより自由になった」という意識だ。これは、PHSを利用することで、計画の変更や立案が自由にできるようになったためであろう。逆に拘束感を感じるようになった人は8.8%と少ない。一方、PHSを持つことで「親が安心するようになった」と答えた学生が42.1%もいた。これは、親本人にたずねたわけではないので、学生の勝手な思いこみである可能性もある。しかし私が学生に話を聞いたところ、PHSを持つようになって親が安心して門限が遅くなった、と言う女子学生もいたから、そのような親は意外と多いのかもしれない。行動面の変化は、電話利用面や意識面の変化に比べると、若干少なくなっている。「友達と遊ぶ機会が増えた」とする人は29.8%、「夜遅くまで外出するようになった」という人は17.5%だった。
Aパネル調査    
 つぎに、先に相関のみられた5つの関係の因果関係を探るためにパネル・サンプルの分析を行う。パネル調査の特徴としては、所有の有無と行動の変化を別々に調べるので、意識していない変化もとらえられるかわりに、パネル調査期間内に起きた変化しかとらえられないという限界もある。分析対象は、1回目と2回目の両方の調査に参加し、2回とも各メディア所有について答えた人とした。PHSのパネルサンプルは365人、ポケットベルは368人である。各メディアの所有の変化は図2のとおりである。ここで、1回目も2回目も所有している人をA群とし、1回目は持っていなかったが2回目は持っていた人をB群、1回目も2回目も持っていなかった人をC群、1回目は持っていたが2回目は持っていなかった人をD群とする。PHSの場合、A群は19人、B群は27人、C群は314人、D群は5人であった。一方ポケットベルは、A群は85人、B群は21人、C群は248人、D群は14人であった(図2)。
 パネル調査で因果関係を推定する場合、しばしば行われるのは、交差遅れ分析と呼ばれる方法である(9)。これは基本的には、1回目の変数Aと2回目の変数Bの相関係数と、1回目の変数Bと2回目の変数Aの相関係数を比較するものである。しかし今回は、所有のサンプル数が少ないこと、一方の変数が所有、非所有のカテゴリカル・データであること
 図2 所有の変化       ポケットベル    PHS
      1回目 2回目 1回目 2回目
A(85) A(19)
所有 □ →□ 所有 □ →□
B(21)      B(27)
D(14)         D(5)
非所有■ →■ 非所有■ →■
C(248) C(314)
からこれを採用しなかった。かわって群ごとに平均値をだし、その差を比較する方法をとった。この方法だと特に重要なB群(新規採用者)の変化を直接みることができる。
 では所有と外出行動との関係から、結果をみていこう。まずPHS所有は在宅時間を減
図3 PHS所有と在宅時間(時間/日)
  1回目 2回目
A(11.4→11.9)ns.
所有 □ →□
    B(11.5→11.7)ns.

     D(12.3→10.3)ns.
非所有■ →■
    C (12.5→12.7)ns.
らすか、という問題をとりあげる。図3はPHS所有と在宅時間の変化を示しているが、
D群を除いて各群は安定していた。群内の変化を分散分析で検定した結果、いずれも有意差
はなかった。しかもB群の在宅時間は所有以前から11.5時間と、C群(12.5時間)より1時間も短く、A群(11.4時間)と同水準であった。ここから、PHSの所有が在宅時間を減らしたとは考えにくい。一方利用開始動機を調べると、最も多い動機として「 移動が多く連絡が取りにくいので」(45.6%)があげられていた(第一回調査)。これらから、PHS所有者の在宅時間が短いのは、もともと在宅時間が短い人がPHS持つようになった結果である可能性が強い。
 つぎに、移動メディア所有は夜間外出を増やすか、という問題を考える。図4はポケットベルやPHSの所有と、1週間あたりの夜間外出数(午後10時以降)の関係を示している。PHSでは各群安定しており、分散分析でも有意差はない。しかもB群の夜間外出数は所有以前から2.44回とC群(1.68回)より高く、A群(2.52回)とほぼ同じレベルであった。従ってPHS所有者の夜間外出回数が多いのは、もともと夜間外出回数が多い人がPHS持つようになった結果である可能性が強いと考えられる。
             図4   夜間外出数の変化(回/週)
    ポケットベル          PHS
  1回目 2回目 1回目 2回目
A(2.28→2.32)ns. A(2.52→2.73)ns.
所有 □ →□ 所有□ →□
B(1.71→2.16)ns.   B(2.44→2.33)ns.

  D(2.50→2.25)ns.      D(1.90→3.60)ns.
非所有■ →■ 非所有■ →■
C(1.58→1.25)ns. C(1.68→1.73)ns.
 一方ポケットベルのB群は1.71回というC群(1.58)と近いレベルから2.16回とA群(2.32)に近いレベルまで増加している。分散分析ではその差は有意なほどではなかったが、ポケットベル所有が夜間外出を若干増加させる傾向がうかがえる。しかし、第1回調査でポケットベルと夜間外出の関係をたずねたところ、「もともと夜間外出が多かったのでポケットベルに入ったが、夜間外出の頻度は増えていない」(7.8%)、「ポケベルを持つようになってから夜間外出が多くなった」(2.3%)、「もともと夜間外出が多かったが、ポケベルに入ってますます夜間外出が増えた」(8.5%)となっている。ここから、一部でポケベル所有が夜間外出を増加させる傾向は否定できないものの、影響はそう大きくないと考えられる。
 以上のように、外出性に対する影響はあまりみられなかったが、対面接触を活発化する影響についてはどうだろうか。図5はポケットベルやPHSの所有と、対面接触の活発度との関係を示している。PHSのB群では、所有以前から対面接触が活発な人が80%もいた。これはC群の57.8%よりあきらかに高い数字であり、もともと活発度の高い人がPHSを持つようになった傾向がみられる。しかしA群では活発な人の割合が63.2%から89.5%に増加している。分散分析ではこの差は有意でなかったが、変化の様子を詳しく見ると、1回目に活発度の低かった7人のうち5人が2回目では活発度が高くなっている。その一方、1回目で活発度が高かった12人のうち2回目に低くなった人は1人もいなかった(表8)。このように変化の方向は活発度が高くなる方向に一定している。また直接質問(第2回調査)では「友達と遊ぶ機会が増えた」とする人が所有者の29.8%いた。ここから、もともと対人関係が活発な人が所有する傾向があると同時に、PHSの所有が対面関係を活発化させる傾向もあるといえる。
図5 対人関係の活発度が高い人の割合(%) 表8 活発度の変化
ポケットベル PHS  PHS A群
  1回目     2回目 1回目     2回目 │ │ 2回目 │
A(79.5→80.8)ns. A(63.2→89.5)ns │1│ │低  高 │
所有 □ →□ 所有 □ →□ │回│低│ 2 5 │
        B(65.0→85.0)ns  B(80.0→88.0)ns │目│高│ 0 12人 │
 ポケベル B群
         D(69.2→69.2)ns      D(75.0→50.0)ns │ │ 2回目 │
非所有■ →■ 非所有■ →■ │1│ │低  高 │
     C(52.9→52.9)ns C(57.8→57.1) │回│低│ 2 5 │
                    │目│高│ 1 12人 │
   (欠損値1)
 一方ポケットベルでは、分散分析では有意ではなかったものの、B群で対面接触活発度の高い人の割合が若干増加している。B群の変化を詳しくみると、対面接触活発度が1回目で低かった7人のうち5人が2回目で高くなった一方、1回目高かった12人のうち2回目に低くなったのは1人だけだった(表8)。ここから所有後に活発度が高くなる方向性が読みとれる。また直接質問でポケットベル利用後「よく会う人とのコミュニケーションがより活発になった」とする人が所有者の44.6%いた。これらのことを考えると、ポケットベルの所有は対面接触を多少なりとも活発化させる傾向があると考えられる。これは、木下ら(1996)の報告(すなわち、ポケベル所有後、友達との接触回数が増えた、とする人が高校生調査で22%、少年鑑別所調査で43.7%いた)とも一致する結果となっている。
まとめ
 以上、大学生に対する2回のパネル調査から移動体通信メディアが若者の人間関係および外出行動に与える影響を探った。その結果、相関レベルでは、ポケットベルの所有と対面接触の活発度、夜間外出数との間に正の相関があった。またPHS所有と対面接触の活発度、夜間外出数との間に正の相関、在宅時間との間に負の相関があった。しかし、2回の調査における所有と非所有を群ごとに分けて変化をみたところ、外出行動に関しては、ポケットベルやPHSの所有による影響はあまりみられなかった。一方、対面接触に関しては、ポケットベルやPHSの所有が対面接触の活発度を高める傾向が若干みられた。
今回は行動面を中心に移動体通信メディアの影響を検討した。その結果、若干の影響はみられたもののの、それほど劇的な変化はみられなかった。しかし、いくつかの直接質問からもうかがえるように、意識面の影響はより大きいと考えられる。したがって今後はこの点についてより詳しく検討していく必要があるだろう。行動面については、今回対面接触の活発度についての影響がみられたので、これを多段階で測定する尺度を開発し、より微妙な変化を検出していく必要がある。今回は地方都市の大学生を対象に、ポケットベルは普及成熟期、そしてPHSは普及初期の段階で調査を行った。今後、さまざままな場所、対象者、普及段階において、このような調査を繰り返すことによって、移動体通信メディアの影響についての知見をさらに積み重ねていくことが必要であろう。

(1)筆者はこの問題を中村(1996.b)で「パーソナル化」という言葉で論じたことがある。
(2)たとえば中村(1996.a)石井ら(1996)など
(3)中央調査社「パーソナル先端商品の利用状況」によると、95年5月の利用者率は全国で9.0%、96年2月が10.2%、96年で最も利用率の高いのは30歳代であった。
(『テレコミュニケーション』No.142.1995.5.p142)
(4)リックリサーチは首都圏と関西圏の販売店の協力で、同年7月から11月の加入者1084人(各社)に対して郵送調査を行った。回収率は40.0%(『テレコミュニケーション』No139.1996.3.p158)
(5)松山市は矢野(1995,50)によると民力統計や生活時間の点で全国の平均像に近い。しかし郵政省(1996)によると、四国の移動体通信の人口1人あたりの普及率は、携帯電話で4.5%、ポケットベルで8.2%と全国平均(それぞれ6.5%、8.5%)よりやや低い。
(6)たとえば高橋(1988)は、挨拶や談笑や一時的感情の共有以上の深さをもつ関係に展開しない若者の人間関係をさして1.5次関係といい、宮台(1994)は若者が自分のかかえる問題を他人に伝達したり共有したりすることについてほとんど期待していない点を指摘している。
(7)「ほとんど一人で食べている」と「どちらかといえば一人で食べている」を合算した値
(8)「だいたいあてはまる」と「少しあてはまる」を合算した値
(9)メディア関係では、議題設定機能をあつかったShaw,D.L. & McCombs(1977)やテレビゲームをあつかった坂元(1993)などがある。
文献
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 宮台真司『制服少女たちの選択』講談社、1994年
 中村功「携帯電話の「利用と満足」−その構造と状況依存性−」『マス・コミュニケーション研究』48号1996.a,146-159
 中村功「電子メディアのパーソナル化−その過程と利用変化の特質−」橋元良明他編『情報行動と地域情報システム』東京大学出版会1996.b,168-194
 大平健『やさしさの精神病理』岩波新書、1995
 Rakow,Lana F. and Navarro,Vija,Remote Mothering and the Parallel Shift:Woman Meet the Cellular Telephone, Critical Studies in Mass Communication,10.1993,114-157.
 坂元章『認知的複雑性と社会知覚システムの進展』風間書房、1993
Shaw,D.L. & McCombs,M.E.,The Emergence of American Political Issues:Agenda Setting Function of the Press,1977
Stein,A.C.,Parseghian,Z. and Allen,R.W.,A simulator study of the safety implications of cellular mobile phone use,in American Association for Automative Medicine,Proccedings of the 31st Annual Conference,(cited in Briem,1994)
 高橋勇悦「大都市青年の人間関係の変容−1.5次関係の概念に関する覚え書き−」『社会学年報』17、東北社会学会、1988年
郵政省電気通信局資料「移動通信事業の発展動向」1996
矢野眞和『生活時間の社会学』東京大学出版会、1995