中村功「携帯携帯メールの人間関係」東京大学社会情報研究所編『日本人の情報行動2000』東京大学出版会       
4.5.1携帯メールの広がり
(1)携帯メールとは
 携帯電話(携帯電話・PHS)は電話機であるが、現在では通話だけでなく、様々な用途に使われるようになってきた。例えば、携帯電話単体で電子メールや文字通信などのメールのやりとりをする、インターネット端末としてホームページの閲覧やソフトの取り込みをおこなう、あるいは、パソコンや携帯情報端末に接続して、いわゆる「モバイル・コンピューティング」をおこなう、などがある。その中でも近年特にさかんなのが、携帯電話単体によるメールのやりとり、すなわち「携帯メール」である。本論では、この携帯メールについて、利用の実態および、人間関係に対する影響などを考えていく。なお本論では携帯電話とPHSあわせて単に携帯電話と呼ぶ。
 ところで携帯メールには、携帯電話同士でしかやりとりができない「文字メッセージ」(Pメールやショートメール)と、インターネットを通して幅広く通信ができる「携帯E
メール」(Sky Walkerやiモードメール)の2種類がある。
                      主な商品名
@文字メッセージ(インターネット非対応型)
     PHS         Pメール(DDI) きゃらメール(ドコモ)
    携帯電話        ショートメール(ドコモ) プチメール(au)
A携帯Eメール(インターネット対応型)
    PHS         PメールDX(DDI) パルディオEメール(ドコモ)
    携帯電話        iモードメール(ドコモ) Sky Walker Eメール(Jフォン)
                 EZweb eメール(au)
   図4.5.1 携帯メールの種類    ※「きゃらメール」はEメールの受信は可
 
 文字メッセージは1995年11月にPHS(DDI)で始まった。少ない文字数しか送れないため、現在では使う人が少ないが、サービス開始が早かったので、97年以降若い人を中心にブームになった。はじめは同一会社の機種間だけしかメッセージ交換ができなかったが、98年からは規格が統一され、会社間のメッセージ交換もできるようになった。いっぽう携帯Eメールは、東京デジタルホンが1997年11月から始めた「スカイウォーカー」が最初のサービスである。1997年12月からはNTTドコモから「10円メール」に対応した「ポケットボード」が発売され、話題となった。そして1999年2月からはiモードのサービスが始まり、爆発的な人気となった。ここでは、文字メッセージに比べ、より長い文を送受信できる。また、携帯電話会社がプロバイダーの役割を果たし、パソコンなどとも簡単に電子メールができるようになった(1)。
(2)普及と利用頻度
 そもそも携帯電話は、2000年には加入者が6000万を越え、日本でもすっかり普及してきた。特に若者(大学生)における普及はめざましく、2000年の普及率は9割から9割5分に達している。たとえば、著者が2000年4月に松山市の大学生486人を対象に行った調査(以下「学生調査」と記述)では91.2%、あるいは同年12月に、松山大学社会学科が1,3年生全員に行った調査では、94.5%の学生に携帯電話が普及していた。また、同年3月に行ったSIC調査(2)では、19-22歳(大学レベル)で91.5%の普及率であった。ただし、13-15歳(中学レベル)では15.3%、16-18歳(高校レベル)で55.8%と、大学生に比べると中高生への普及は遅れぎみである。
 このように普及した携帯電話で、携帯メールを利用することが多くなってきた。たとえば2000年3月に行った「SIC携帯調査」(3)では携帯電話利用者の36.3%が携帯メールの利用経験者であった。あるいは野村総合研究所の調査(第6回情報通信利用者動向の調査)では、携帯電話・PHS利用者のうちで「ショートメッセージサービス」を利用しているのは、1999年10月現在23.6%で、そのうち10代だけを見ると71.3%と、若者でとくに高い利用率になっている。また99年11月に総務庁(2000)が高校2年生に行った調査によると、高校生の58.7%が携帯電話を持ち、そのうち86.8%が「携帯電話を使った文字通信(メール)」を利用していた。さらに2000年の「学生調査」によると、大学生の85.6%が携帯メールの利用者であった。
 学生調査からその利用頻度をみると、音声の電話として利用する場合は1日10回以上が4.7%、1日5−9回が17.6%、1日3-4回が31.2%、1日1-2回が26.2%とほとんど(八割)の人が毎日利用しており、利用頻度は頻繁である。またメールのやりとりとしては、1日10回以上が13.3%、1日5-9回が24.4%、1日3-4回が21.7%、1日1−2回が15.8%と同じく8割近くの人が毎日利用している。一日10回以上、5回以上、3回以上といった利用頻度の高い人を見ると、メールの方が多くなっている。大学生の携帯電話利用を考えた場合、音声で話すより、むしろ携帯メールのやりとりのほうが活発であるといえる。他方iモードなどで最近話題になっている情報サービスだが、「学生調査」では、そもそも契約者が携帯所有者の52.4%で、その中での利用頻度も、ほぼ毎日が19.4%、週数回が22.4%、週1回程度が11.2%など、通話やメール利用に比べるとマイナーな存在となっている。
  
 図4.5.2 携帯電話利用者の通話・携帯メール利用頻度(学生調査)
4.5.2 携帯メールのコミュニケーション
(1) 表現
 著者は2000年の夏から冬にかけて、勤務先の大学生140人あまりから、400通以上のメールの実例を収集した。それらを分析すると携帯メールには次のような表現上の特徴があることがわかった。 
 まず第1にいえるのが、携帯メールでは話すような文体で書かれている、もっと言うな
        表4.5.1  携帯メールの実例
@用件連絡
<1>今日は一緒にメシくおう 8号の下で待ってます。
<2>頑張って10時に行く もし来なかったら電話おくれやす 本ありがと!明日お金払うよ 出世したから おほほ     
<3>今日は少し遅刻するけど行くけん、席とっといちくり 
<4>ゼミの本なんて題名で誰が欠いたのかおしえてくれんかしら
<5>おはよう!食料の備蓄状態はどうですか?いつものなら送れるよ!
<6>お願いがあるので、時間があいたときにTel ください。
<7>いくぞよ   ブィーン!(画面を通りすぎていく)
<8>いいね 詳しくはメールで
A現状報告 (+感情表出)
<9>今、昼休みだよ。でも、昼当番だから、居残りなのです。つまらん。昼からはまたいそがしいぞー。そちらはどんな感じ?
<10>捕まったー!!スピード違反!!ちょーむかつく むぎー!
<11>今日まじで寒いよねー  学校の行き帰りがつらいさ っていうか明日統計学やん...もう数字見たくない 
<12>高知は今日も、日射しがきつい もう12月なのに!?ほんまに異常気象やわ!!
<13>津山で初雪 がみられました まじで寒いよ はやく香川に帰りたい!!
<14>いまどこにおるー??
<15>今からバスにのって家にかえってきますってゆうかもうのっとるけど・・・ 香川まで2時間ちょっとかかるきん暇です そういえば実家の部屋にはクーラーがないんやった 暑いなぁー
<16>私は今日でひとまず実習おわりました ってゆっても二週間後にまだあるんやけど…それがおわれば一年間の実習生活からおさらばよ。がんばります。かおもそろそろテストやないん?がんばれよ
B感情表出
<17>ごめんなさい...何か怒って帰っちゃったね...
<18>祝19才      おめでとー すてきな19才になりますように
<19>今日はありがとでした。助かりました。ごめんねー。
<20>いたメ-ルしたろ?ゆるさんよ にゃろ- たけ
<21>こんなに暑いのか?今日のバイトはもう駄目かと思ったよ。社会体制論、大丈夫かなぁ?力でないよ、全く。
<22>朝ですよー!!今日も一日頑張りましょう 
C相談
<23>おひさ 最近いかがお過ごし?私は進路について色々悩みまくっています。大学生になっとけばよかったと常日頃感じております ○○○は楽しんどる?そうそう最近ね彼氏とドライブで松山に行って○○高校の外周を走った!なつかしかったよ わけわからん やけど○○からでした
<24>本当にいつもいつもありがとうございました。今回はたくさんのお荷物と一緒だったり・・・。誠に感謝感謝でございます。話は変わるけど一つ。××の人のことですけど、回りがなんと言おうと自分の気持ちを大切に。別にその人と付き合ったからといっておれは怒りませんよ。自分に正直になりましょう。もしかしたらおれだって○○と仲よくなるかもしれんし。(はい、これは嘘)まじでそれはないけど、とりあえず後で後悔するよりは自分で思ったことをやればいいと思います。それではまた今度。
D身の回りの話題
<25>さっそくヒスのチャイナを着てみたが・・・スケスケ(汗)1枚じゃ着れんな・・・ジーンズはサイズ丁度良かったよ。パツパツやけど微妙に伸びるし。又来週も買わんとなぁ・・・早くチャイナGETせんと売り切れるよ (笑)火曜日着てきます(^_^)/
<26>肌ざむい夜に私より夏本番な女発見!ジーパンにキャミソール一丁 いくらなんでもこりゃヒドイ
<27>今日はバイトが暇過ぎて、めちゃ疲れた。○○の情報処理の授業、代わりに受けたかったくらいよ。私も公務員講座を辞めて、パソコン関係の講座に変えたいよー**。アクセスとか。よく分からんけど。話は変わるけど、言ったかもしれんけど、「○○○」っておったやん。あのひと、そーとーやせたんよ。今度見といて。ところで、今学校で課題が山のようにでて、私も発狂寸前。英語もそのうちのひとつやけど。すすんでる??私は1日1ページが限界よ。そんじゃあ、いまからはじめまーす。
E一般的話題
<28>こんにちはアタシはキティ 実はみんなに黙っていたコトがあるの・・・ママにお買い物を頼まれて魚屋さんまでいつも通りに歩いて行ったの 帰りは気分がよかったので少し遠回りして公園の辺りまで行ったの、その時 後ろからアタシにあの人が・・・必死に抵抗したけどあの鍛えぬかれた体にはムリだったわ あっいやっやめてーっあ・あ〜ん〓そして・・・・・元気な子が生まれました。見てやって下さい。 http://www1.neweb.ne.jp/wa/home1/kinnnikukitty.gif
<29>・キムタクは結婚したね。元カノとしてはちょっと複雑な気分
Fチェーンメール
<30>(雪と雪だるまの絵)こんなふうに、ホワイトクリスマスに、なりますように 世界の皆が幸せになるように、このメールを送りましょうー。このメールを、送ると幸せになれるよ(マジ)
<31>ラブコ−ル〓これを今日中に5人に送ると好きな人から電話がかかってくるよ〓それは運命の人です〓ステキでしょ?もし、ここでやめてしまえば・・運命の人に巡りあえないかも?!
<32>すげー!ちゃんと三人に送らないと見れないようになってんだ!マジびっくりだ!モーニング娘全員のオールヌードが見れるよ〓これは最近出回っているうそっぱちのメールと違います〓だから信用してください〓見たい人はアイモードどうしで3人にこのメールを送ってください。送られたかどうかはアイモードセンターにてカウントされます。これは絶対です〓http://www..ac.jp.html/count.
    (ただし固有名詞は○○、××などとした。〓は機種依存文字のため不明)
 
ら、表現が軽佻な口語体である、ということだ。ここからさらにいくつかの特徴が出てくる。例えば、携帯メールでは日常的に若者が使っている方言が文章化されている(例<3><4><11><12><14><15>等)。あるいは毎日新聞(8月24日)で指摘されるように、「おほほ」といった擬音語(例<2><10>)や「席とっといちくり」といった幼児化した表現(例<3>)もしばしばみられる。さらに「暑いなー」とか「はじめまーす」など長音符号を使った表現も多い(例<7><12>)。第2に、(とくにiモードの)機種依存絵文字が多用されていることがある(例<1><2><3><6><10>等)。これはパソコン通信などによく見られる「(」や「+」などの規格文字を組み合わせて表情を作る「顔文字」(<25>に見られる)とは異なり、1文字で表され、他社同士では利用できない。こうした絵文字は女性のメールに多くみられる。絵文字の中で多用されるのは、笑顔 (喜び又は元気を表す)、ハート (親愛の情またはかわいい感じを表す)、汗 (「!」を表す)、音符 (ルンルン気分を表す)、むぎゅ顔 (「まいった」を表す)、ホークとナイフ (食事)、電話 、手紙 などである。第3に、文章の長さや漢字など文章表現は、携帯メールの入力しにくさにも関わらず、あまり省略されない。かつて流行したポケットベルやショートメールなどでは送信できる文章の長さの制限が20字程度と厳しかったために、文章が短かく、仲間内だけで使われる省略表現が発達した。しかし現在利用されている携帯メールでは、250から3000字と比較的長い文章が送信でき、漢字変換も比較的容易なので、普通のメモと同じような表現がされている。しかし、例<24>や<27>のような長い文章を入力するにはかなりのスキルと労力が必要であると考えられる。第4に絵、動画、音声、リンクなどネットメディアらしい表現が使われる。例えば<30>ではクリスマスらしい雪と雪だるまの絵が送られ、絵の魅力が、保存や他人への転送を誘う仕掛けになっている。あるいは<7>では、車が画面上を通りすぎていく動画が、表現を豊かにしている。また<28>ではキティちゃんの物語がつくられ、ホームページのリンクが張られている。これを開くと筋肉マンとキティーが合体したような画像(iモードの待ち受け画面)があられる。
 
(2)丸文字と携帯メール表現
 携帯メールの表現として特徴的な絵文字だが、これはなぜ発達したのだろうか。現在最も流通しているのは、NTTドコモのiモードの機種依存型の絵文字で、166文字ある。しかし、通信メディアにはじめて絵文字が登場したのはポケベルであり、1994年にドコモから発売されたポケベル「ベルミー」で、顔の表情が表示できるようになったのが、おそらく最初のことである。その後、PHSや携帯電話の文字メッセージサービスでも絵文字のやりとりがされたが、若者の絵文字コミュニケーションはこうした通信メディアによって開始されたわけではなかった。
 そのルーツを解く鍵は「丸文字」にある。丸文字とは、主に少女たちによって書かれ、極度に丸みを帯びた字体のことで、「マンガ文字」とか「変体少女文字」とも呼ばれる。山根(1986)は多くの丸文字の文例を集められているが、その表現は私の集めた携帯メールの文例と驚くほど似ている。例えば「はれのちくもりのちよる* 今、春休み デス* 来週はスキーに行きます。いーでしょ−−っっっ** (中略)でんわちょーだい* まってるワンッ(文中の「*」は転記不能の記号または絵文字)」山根(1986,p70)このように、丸文字の文章には絵文字が多用されている。山根によると、丸文字には「!」マーク、ハートマーク、星マークなどが欠かせない要素で、さらに変形ハートマーク、句点に角が生えたもの、「!」の代用として汗が3滴飛び散った記号などがあるという。また、本書の奥付にはVサインのマークなど、他の絵文字も見られる。汗のマークなど、そのいくつかは、現在若者が携帯メールで使っているものと、ほぼ同様のものである。
 また当時少女からのはがきをよく読んだ、ラジオパーソナリティーの白石冬美は、丸文字で書かれた文章は「擬音が多く、話し言葉でかかれていて、陽気ではねている感じがするけれど、文章は稚拙」である、と言う(山根、前掲書)。擬音の多用、会話体という特徴は、まさに携帯メールの特徴でもある。
 このように、丸文字と携帯メールは表現がきわめて似ていることから、絵文字をはじめとする携帯メール表現は、少女の丸文字にルーツがあると考えられる。だとするならば、携帯メールで絵文字を多用するのが女性に多いことも、うなずけるところだ。
 丸文字の歴史は古く、山根によると1974年に誕生し、78年に急速に普及したという。その原因には、少女たちが私語の代わりに猛然と字を書く生活を送るようになったこと、シャープペンシルが普及したこと、(自分より弱いものに対する好感を意味する)「かわいい」ものを至上とする価値観の広がり、等があるという。
 ところが現在、この丸文字は若者の間でもほとんど使われていない。何人かの若者に聞いたところ、どうも1990年頃までには完全に下火になっていたようである。字体が古くさいと感じられるようになった、丸文字か象徴している少女文化のもつ雰囲気が古くなった、あるいは他の字体に取って代わられた(現在では「へたうま系」や「右上がり系」などいくつかの特徴的な字体が若者に見られる)など、様々な理由が考えられるが、丸文字衰退の本当の理由は定かではない。しかし丸文字は衰退しても、絵文字等やそこで使われた表現上の特徴は、その後も生き続けた。現在携帯メールで絵文字を盛んにやりとりしている、大学生やOLに話を聞いてみると、ほぼ間違いなく、小学生や中学生の段階で、丸文字の洗礼を受けていた。絵文字は彼女らの書字習慣の中で保存され、携帯メールに持ち込まれたのである。メディアが変わって表現が変わったという、「技術決定論」的な見方より、すでに若者の間で使われていた表現がメディアの中に取り込まれた、という、利用を中心としたアプローチ(4)のほうが、ここでは説得的だといえるだろう。
 では、なぜ現在、携帯メールで絵文字が多用されるのか。第1に絵文字の機能性がある。絵文字には、@感情を豊かに表現するA相手の気持ちを和ませ無用な衝突を避けるB単なる修飾、という3つの機能があると考えられる。山根(1986)は丸文字において絵文字が多用されることについて、文章による感情表現が稚拙なために、視覚的な装飾で文字を飾っているのではないか、といっている。確かに携帯メールにも同様のことはいえるかもしれない。しかし、音や表情が伝わらない、メディア的限界を越えようとする試みとして、有効な面があることは認めなくてはならないだろう。第2に、その背景には、オーディオ・ビジュアルに訴えて、生き生きとした表現をしたい、という「表現のAV化欲求」ともいうべきものがある。丸文字、プリクラ、携帯メールの絵文字、さらにメールに写真・音楽・動画等を添付する動きも、こうした流れから説明できる。テレビ、漫画、テレビゲーム、オーディオ機器等に取り囲まれて育った若者に、こうした欲求が大きいことは、ふしぎなことではない。第3に、丸文字の背景にある「かわいい」ものを尊重する価値観は、携帯メールにも作用しているようである。山根(1986)も言うように、弱さ、幼さ、愛らしさを伴う「かわいさ」を装うことは、現代では楽な生き方をする技術となっている。「かわいさ」の共通世界に住むことができれば、自我や存在感を感じさせず、相手から拒否されることがなくなるのである。現代でも「かわいい」を連発する若者がおり、こうした価値観は存続しているようだ。
 
(3)内容
 次に携帯メールの内容だが、まずアンケート調査から全体的傾向を見ておこう。第1にいえることは、音声に比べてメールでは、おしゃべり的内容、すなわちコンサマトリー(自己充足性)な内容が多いことである。SIC携帯調査によると、携帯メールの内容で最も多かったのは66%の人があげた「その時あった出来事や気持ちの伝達」であった。それに対して音声利用で最も多かったのは「待ち合わせなどの約束や連絡」である(図5.4.3)。また「特に用件のないおしゃべり」では、携帯メールでは40.7%がよくやりとりするとしたのに対して、音声では18.2%にとどまっている。同様の傾向は「学生調査」でもみられる。すなわち、ふだんどのような内容をやりとりするかをたずねたところ、現況報告(70.9%)、身のまわりの情報(66.8%)、ちょっとした気持ち(60.1%)などが多かった。携帯メールでは送信したときに相手のじゃまをすることがないので、あえて電話するほどでもない内容も気軽に送ることができるためだう。そして第2に、待ち合わせなどの用件伝達がある。「学生調査」では、待ち合わせの連絡(30.5%)やあいさつ(20.0%)は少なくなっていたが、「SIC携帯調査」では52.0%の人が「待ち合わせなどの約束や連絡」をやりとりするとしている。携帯メールは会うための道具としての役割も果たしているのだ。
                図4.5.3 携帯メールの伝達内容       (SIC携帯調査)
 
 次に、学生から収集したメールの実例を材料にして、携帯メールの内容より細かく、整理・分類すると、次のようになる。まず第1に用件連絡があげられる。様々な用件があるが、その中で最も多いのは<1><2><3><7>に見られるような、会う約束に関するものである。<5>は故郷から離れて暮らす下宿生への母親からのメールである。また<6><8>は音声の電話やパソコンのメールなど他のメディアでの接触を約束するメールである。これは昔のポケットベルと同様の使い方といえるだろう。携帯メールでは、依頼や詳しい話がしにくいことを利用者が自覚し、メディアの使い分けをしようとしている点が興味深い。
 第2に現状報告がある。しかし、これはほとんどの場合、その現状に対する感情表出を伴っているので「現状報告+感情表出」としたほうがよいかも知れない。これは、携帯メールに最も特徴的、かつ典型的な内容といえる。その時々のちょっとした出来事や感情は、携帯メール以前はこれほど伝達されなかったのではないだろうか。電話するほどでもない小さな出来事を相手のじゃまにならずに送れる、休憩中や移動中のちょっとした時間にメールがができること、などがこうした内容を増やしている。その結果、刻々の出来事や感情が、たれ流し的に表現されるようになっているのである。しかしその一方で、俳句を作るときのように、今まで忘れてしまっていた、ちょっとした感情を表現することでそれを定着化したり、ちょっとした出来事を共有化する事で、会ったときに話題が豊かになるという効果もあるようだ。
 第3に「感情表出」がある。<21>のように自分の気持ちを独白的に述べるもののほか、<18><19>21>のように、謝罪、祝福、感謝、励ましなど、面と向かってはなかなか言いにくい感情を表出する場合も多い。こうした内容では絵文字が巧みにに使用される傾向がある。
 第4に、収集した数は多くないものの、かなり真剣な「相談」もある。携帯メールでは比較的軽い話題が多いというイメージがあるが、<23>や<34>のように。進路や恋愛に関する悩みやの表出やそれに対するアドバイスなども行われているようである。
 第5には「身の回りの話題」がある。例としては、<25><26><27>が感想や現況報告を伴いながら、身の回りで起きたちょっとした話題を伝達している。第6は「一般的話題」で、身の回りの話題より広い範囲の話題である。例えば<29>はテレビの話題で、<28>はホームページとリンクされた話題である。ホームページとリンクした話題は同報機能で何人もの仲間に送られることが多いようだ。そしてこれが意図的に行われるのが第7の「チェーンメール」である。例<31>のようなきわめて古典的なものもあるが、最近では<30>のように画像などで感動を誘うものや、<32>のようにかなり巧妙なものが多い。なお、この種の転送したメール数がカウントされるというのは嘘で、しかもこの例では何も見られない。
 なお、一つのメールに一つの内容というのではなく、一つのメールに何種類かの内容が混在していることが多い。
 
4.5.3 人間関係への影響
 では、携帯メールで行われている人間関係はどのようなもので、携帯メールは人間関係にどのような影響をもたらすのだろうか。コミュニケーションの実態、および著者が授業中に行ったアンケート(141人対象、2000年12月実施)で得られた大学生の証言を紹介しながら考える。
 
(1)フルタイム・インティメイト・コミュニティーの形成
 吉井ら(1999)らは、携帯電話(音声)によって、よく会う少数の親しい仲間が絆を強め、心理的に24時間一緒に居るような気持ちになる人間関係が創出されるのではないかとして、これを「フルタイム・インティメート・コミュニティー」と名づけた。しかし、このフルタイム・インティメート・コミュニティーのような人間関係は、音声ではなく、むしろ携帯メールによって実現されているようである。
 第1に、すでに述べたように、携帯電話(音声)の内容が用件連絡が多いのに対し、携帯メールではおしゃべり的内容が非常に多い。これは、後述のように、携帯メールでは面と向かって言いにくいような内容を言いやすく、感情のこもったメールが多いためである。第2に、もっとも中心的な携帯メールの相手は、よく会う友人であり、メールだけでやりとりする、いわゆる「メル友」が居る人は少数である。すなわちSIC携帯調査では、携帯メールをよくやりとりする相手として、73.4%が「よく会う友人」をあげた一方、「メル友」は1割に満たなかった。ここから、携帯メールは基本的にはよく会う人間関係の上に重層的に行われるといえる。実際、学生アンケートでは、「学校で友だちと別れると妙につまらないカンジだったが、帰ってからもメールのやりとりで、リアルタイムで会話している様で楽しい。」(3年、女)という証言があるが、会っては話し、別れてもメールや電話で話すという、フルタイム化した親密な関係ができているようだ。
 
         図4.5.4 携帯メールの相手(SIC携帯調査)
 
(2)対面関係の活性化
 携帯メールに夢中になっている若者をみると、彼らがネットワーク上の人間関係ばかりを重視するあまり、現実の(対面の)人間関係が希薄になってしまうのではないか、という心配がある。しかし実際は、ネット上の関係は対面関係の上に重層化しており、現実の人間関係を活性化させているようだ。
 それは、第1に、前述のように、携帯メールの相手がよく会う友達であることがある。
第2に、携帯メールは、実例<1><7>にみられるように、勧誘を含む、会うための道具として使われており、対面接触を活発化させる傾向がみられる。第3に、とくにつきあいの初期の段階で、対面接触を促進し、関係を深化させる側面がある。次のような証言がそれを物語っている。「前より友達と仲良くなれたような気がする。そんなに仲良くなかった子とかからメールが入るとうれしい。メールをすることが増えてから、一緒に遊びに行く回数も増えた。」(2年、女)これは、直接電話するとのは異なり、携帯メールではあまり親しくない人ともコミュニケーションしやすいためであろう。第4に携帯メールは対面時のコミュニケーションをより豊かなものとする側面がある。たとえば、「普段なかなか話す機会のない人でも気軽にメールだと会話ができる。メールによって、普段会ったときも話すことがふえる」(1年、男)ということである。
 
(3)「ほんとうの気持ちがいえる」メディア特性
 「会ってとか、電話とかで言えないこともメールで簡単に自分の気持ちを伝えられるようになったとこもあり、喧嘩とかも増えたりしたけど、よかったことの方が多い。」(2年、女)この証言は携帯メールのメディア特性をよく表している。携帯メールでは面と向かっては言いにくい気持ちを伝えやすいのである。社会心理学ではこれをどのように説明するのであろうか。
 まず考えられるのは、コンピュータ・コミュニケーション(CMC)研究である。しかし、CMC研究では会議室、チャット、電子メールによる相談、など匿名的場面におけるコミュニケーションが議論の中心で、知り合い同士の携帯メールの研究にはあまり役に立たない(5)。そこで参考になるのが、電話研究である。電話は対面に比べて視覚的情報が欠如しており、それがさまざまなコミュニケーション上の違いをもたらすことが検討されてきた。ここでラター(Rutter,1987)はキューレスネス(cuelessnes)モデルという考えを提出している。視覚的情報や物理的存在が欠如した状態はキューレス(手がかり欠如)の状態であり、これが心理的距離に影響を与える(時には遠ざけ、時には近づける)。その結果、コミュニケーション内容に影響を与え、それが一方ではコミュニケーションスタイルに、他方でコミュニケーションの結果に影響する、という図式だ。たとえば、業務的場面では電話が心理的距離を遠ざけるために、ビジネスライクな内容になり、強者がより有利な交渉結果を得やすい、などということが起こる。逆に「命の電話」などではキューレスが匿名性を生むことで、心理的近さを招き、パーソナルな内容につながるという。電話は対面よりキューレスなメディアであるが、携帯メールは電話よりさらにキューレスなメディアである。そのキューレスさがどのような影響もたらすのか、ということになる。
 たとえば、面と向かっては話しにくいことでも電話なら話しやすい、ということがある。ジークマン(Siegman,1978)の実験では、話題があたりさわりのないものだと対面条件の方が発話量が多いが、個人的内容の時には非対面条件の方が発話量が多くなるという。あるいは飯塚ら(1985)によると、性に関するような当惑的話題では、対面より非対面条件の方が発話量が多くなるという。顔が見えないと恥ずかしさが薄れるために、個人的な話題や話しにくいことも話しやすいのである。電話よりさらにキューレスな携帯メディアでは、この傾向は強まるはずである。
 携帯メールはキューレスなメディアなので、雰囲気が伝わらない。この点では心理的距離が遠いメディアであるといえる。しかしそれ故に、面と向かっては言いにくいこと(たとえば感謝や怒りといった感情)をメールでは表現しやすい。このことが結果として、人間関係上の心理的距離を近くするのである。
 携帯メールにおけるキューレスネスは人間関係に様々な影響をもたらす。第1に、「メールで友達が近くなったような気がします。」(2年、女)という証言に見られるように、交友が深まりやすい側面がある。面と向かっては言いにくい、ちょっとした感謝や励ましの言葉を簡単にかけられるからである。
 第2に、まだあまり親しくない間柄におけるコミュニケーションが促進される。たとえば、男の人にも電話ならしにくいけど、メールなら入れやすい。」(2年、女)という証言がある。それほど親しくない異性との電話では、発言しにくい雰囲気があるが、メールならそれを感じさせないので、発言をしやすいのである。 
 第3に、あまり親しくない関係で、近づきすぎてしまう危険性がある。メールではそれほど親しくない仲でも話しやすいために、ある話題を受け入れられる人間関係の素地がないままに、感情の吐露や深刻な相談が行われることがある。すると、ある種の負担感が生じ、関係が悪化してしまうことがある。たとえば、あるテレビ番組(6)では携帯メールを使う高校生を取材していたが、メールで親しくなった女子高校生の一方が、深刻な悩みを相談するようになって、関係が悪化してしまった例を取り上げていた。相談を受けた側は「ふつうに会ってる時は、その方が楽だったかな。メールだと、かえって、もっと、そばまで来られちゃう気がしたから。わっ来た、ってかんじで、はねつけちゃうっていか...」と証言している。
 第4に、携帯メールでは相手の反応が伝わりにくく、コミュニケーションの齟齬が起きやすい。すでに述べたように携帯メールの内容にはちよっとした感情が伝達されることが多い。問題はそれに対する反応である。キューレスメディアである携帯メールでは、それを聞いたときの微妙な反応が伝わりにくい。その結果、行き違いや、思いやりをとりつくろうこと等が起きやすいのである。たとえばある学生は次のように言う。「メールだけならわからないことがたくさんあると思うから、できるだけ、たくさん、会って話しをしている。メールはおこってても、 こんなマークを使うときもあるから、便利だけど、いまいち相手が何を考えているのかわからない時もあると思った。」(2年、女)やはり、コミュニケーションをメールだけに頼るのは危険性があるようだ。
 
(4)気遣いの人間関係と疎外感
 携帯メールは対人的気遣いがよく行われるメディアである。キューレスネスに伴う弊害を防ぐために、絵文字が多用されるのも、その一つである。これがとくに女性に多用される理由には、すでに指摘した丸文字や「かわいさ」に対する価値観との関係があるが、もう一つには女性特有の相手に対する気遣いの表現(例えば互いによくほめ合ったりすること)が携帯メールに現れているのかもしれない。
 第2に携帯メール特有の気遣いもある。携帯メールは従来の電子メールとは違い、送信されたメールが即時的に相手に届くと考えられている。パソコンでは立ち上げられたパソコンの前にいなければ送信されたメールを読めないが、携帯メールでは自動的に受信され、受信を音などで知らせてくれるからだ。しかしここに感情の行き違いが発生する余地がある。すなわち様々な理由(就寝や置き忘れなど)で返事が遅れると、それが内容に対する異議だととられかねないのである。この点について、ある学生は次のように言う「例えば夜の11時にメールが来たときに、こっちはもう眠っていて、それで朝起きて気づいて送ったら、昨日僕が怒ってたっていうイメージが相手に伝わってしまって..」こうした現象は即時には伝わらないことを前提にしたパソコンのメールではあり得ないことである。これを避けるためは、こまめに返信しなければならないのである。
 また、こうした気遣いは、次の証言に見られるように、友人集団から疎外されてしまうのではないかという、恐怖感を背景にしている。
 メールを返信しなかったら、相手を怒らせてしまうのではないかと思って、メールを返信することが多いです。高校生の時、ポケベルが流行しているとき、あまり相手に返信できなくて怒らせてしまった時があったからです。家に居てまで、友人とやりとりするのは私には疲れるときがあります。しかし、メールのやりとりをしていないと、友達の中から疎外されるのではないか、という不安があり、ついついケータイをいじってしまいます。(2年、女)
 
 携帯メールで行われているこうした気遣いの構造が、若者のメール利用頻度を増加させる一つの要因となっている。
 
(5)離れた人との親交の維持
 SIC携帯調査によると、携帯メールの利用者の43.4%が「普段あまり会わない友人」とやりとりしていると答えている。学生の話を聞くと、これは主に昔の友人と考えられる。その中には大学進学等で離れ離れになった間柄が多いようである。たとえばある学生は「私はけっこう遠くの県外にいる友達とメールをやっているので、今日は何があったとか、何かあったら報告したりとか、そんなかんじです。」(3年、女)という。また、実例の<12><13><23>などをみると、離れた友人同士が些細なことを気軽にやりとりしていることがわかる。その結果、「県外へ行った友達の事も、まだすごく身近にいるように思えます。」(女1年)という感覚につながってくる。こうした行為は通信料金が一通数円と安いことにより促進されている「県外の友人と普通の手段でマメに連絡を取ろうと思えば金がいくらあっても足りないわけで、その点メールは非常に助かっている。」(男3年)という意見ももっとなことである。ちなみに、同様の現象は、かつて若者のポケベル・コミュニケーション(これも全国一律料金)でもよくみられたことである。
 また、実例<5>や「家族や地元の友達と離れていても関係を保つことができる」(女2年)という証言をみると、こうした機能は離れた家族同士でも同様に働くようである。携帯メールは、物理的空間を越えた人間関係を維持し、一種のメディア・コミュニティー的なものも実現しているようだ。
 
4.5.4 さいごに
 以上みてきたように、携帯メールは若者を中心として大きく発展し、そこでは口語表現、絵文字など、数々の表現上の特徴が見られた。またコミュニケーションの実態としては、よく会う友人とのおしゃべり的内容(現状報告と感情表出など)が特徴的であった。そして、その結果として、フルタイム・インティメート・コミュニティーやメディア・コミュニティー的なものを含む、人間関係の促進、深化、維持などの影響がみられた。
 しかし、ここでいくつかの注意点がある。第1に影響の広がりや強さの問題がある。今回は、メールの実例と利用者の証言によって、影響について検討したが、その強さや広がりはまだわからない。今後それらを量的調査によって確かめていく必要があるだろう。第2に、これは影響と表現上の特徴、両方にいえることだが、因果関係の方向性の問題がある。絵文字の場合は携帯メールが若者の表現形式を変化させたというより、若者の表現形式が携帯メールに導入された側面が強いことがわかった。同様に、影響についても携帯メールが人間関係を変えるのか、携帯メールが変化を促進するのか、あるいは単に、変化しつつある人間関係が携帯メールに具現化されているだけなのか、慎重に確かめる必要がある。そのために今後は、携帯メールが利用される文脈をふまえた、総合的な研究が必要となるだろう。
 
(1) 携帯メールについては「文字メッセージ」(郵政白書)、「携帯電話やPHSのショートメッセージサービス」(野村総研)など様々な名称で呼ばれることがある。欧米ではtext messagingとかSMS(short message service)などと呼ばれることが多いようだ。
(2)2000年3月に東京大学社会情報研究所が全国の13才から70才までの一般市民2016人に行った。
(3)SIC携帯調査はSIC調査から携帯電話利用者413人を無作為に抽出して行った(詳しい結果についてはマルチメディア振興センター,2000参照)。
(4)「技術決定論」「利用中心アプローチ」については中村(1997)を参照
(5)例えば有名はキースラー(Kiesler et al,1984)によると、コンピュータ・コミュニケーションでは、視覚的手がかりや相手や自分の属性が不明になり、匿名性が高まる。その結果、相手の地位に気兼ねがなくなり、会議において参加者の発言機会が平等になったり、あるいは、まるで都会の雑踏の中に居るかのような「没個人化」が起こり、感情性・攻撃性が高まり、「フレイミング」とよばれる喧嘩が起こりやすくなるという。しかし、すでに述べたように、基本的に携帯メールでは、知り合い同士がコミュニケーションをするので、「没個人化」とか匿名性などは、説明力を持っていない。
(6)NHK『生活ほっとモーニング』2000年11月22日
 
文献
飯塚雄一、三島勝正、松本卓三(1985)「面接状況と話題が被面接者の発話の流暢性に及ぼ  す影響」『実験社会心理学研究』25、53-63
川浦康至(1990)「コミュニケーション・メディアの効果」『社会心理学パースペクティブ 2』67-87.誠信書房
Kiesler, S. Siegel, J.& McGuire, T.(1984) Social psychological aspects of computer-mediated communication, American Psychologist 39(10), pp.1123-1134
総務庁青少年対策本部(2000)『青少年と携帯電話等に関する調査研究報告書』
中島一朗、姫野桂一、吉井博明(1999)「移動電話の普及とその社会的意味」『情報通信学 会誌』 59号, 79-92
中村功(1997)「生活状況と通信メディアの利用」水野博介、中村功、是永論、清原慶子著 『情報 生活とメディア』北樹出版
中村功(2000)「携帯電話を利用した若者の言語行動と仲間意識」『日本語学』2000年10月 号pp34-43
毎日新聞「つながってる?2000年携帯事情<5>」(2000年8月24日、朝刊、17頁)
マルチメディア振興センター(2000)『インターネット、携帯電話・PHSの高度利用に関 する調査研究』
Rutter, D. R.(1987) Communicating by Telephone, Pergamon Press
Siegman,A.W.(1978) The Tell-Tell Voice, in Siegman & Feldstein eds., Nonverval   Bihavior and Communication, Lawrence Erlbaum,川浦(1990)より引用
山根一眞(1986)『変体少女文字の研究』講談社