４．中越地震と情報伝達の問題

中村功　田中淳　中森広道　福田充　関谷直也　

１．はじめに

　2004年10月23日午後５時５６分に新潟県中越地震が発生した。地震の規模はマグニチュード６．８で、川口町で震度７、小千谷市などで震度６強を観測した。その後、午後６時１１分と６時３４分にも大きな余震が発生し、小千谷市や十日町市などで震度６強の強い揺れとなった。この地震では４６名(うち災害死31)の犠牲者が発生し、一時は10万人以上が避難所生活を強いられる、大災害となった。

本論では中越地震時の情報伝達の問題について、住民アンケートをもとに考察する。

川口町にて川口町役場前にて

 

　調査は震度６強を観測した十日町市の20歳以上の住民400人を対象に行った。調査は2005年2月10日(木)から2月22日(火)の間に、訪問面接法によって行われた。その結果、回収率78％313票の有効回答があった。

調査概要

1.　調査地域　　　十日町全域 2.　調査対象者　　　20歳以上男女個人　400人 3.　抽出法　（住民基本台帳より）二段無作為抽出 4.　調査方法　個別面接聴取法 5.　調査期間　平成17年2月10日(木)〜2月22日(火) 6.　回収数　313件　78%

(中村功)

２．被害状況　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　この章では本研究における調査対象となった十日町住民が地震で受けた被害の状況について概観する。まず、住居の被害状況についてみると（図2.1）、「全壊だった」住民が0.3％、「大規模半壊だった」住民が2.6％、「半壊した」住民が5.4％であったが、「一部損壊だった」住民が86.9％と圧倒的に多いことがわかった。半壊以上の被害を受けた回答者が１割弱の8.3％で、建物に被害がなかった住民が4.8％であった。一方、自宅で地盤の被害があった回答者は24.9％であった（図2.2）。

図2.1　新潟県中越地震による住居の被害状況（N=308）

 

図2.2　地盤の被害の有無（N=308）

　続いて、地震発生時の住民の状況についてみると、図2.3のように、自宅にいた人が73.9％とほとんどであった。屋外にいた人が7.0％、乗り物で移動中だった人が7.3％、地震当時、中越地方にいなかった人も1.6％いた。調査回答者の７割が自宅で被災したことがわかる。

図2.3　最初の地震が発生したときにいた場所（N=308）

 

　また、地震発生時に身体がどのような状態になったかをたずねたところ（図2.4）、「体が飛んだ」人が8.0％、「倒れたり転んだりした」人が17.0％、「壁や天井にぶつかった」人が3.6％であった。このデータからも、地震の揺れの激しさを理解することができる。また、この地震でけがをした回答者は2.9％であった（図2.5）。

図2.4　地震発生時の自身の状態（N=308）

図2.5　地震による、けがの有無（N=308）

 

図2.6　地震が発生した時とった行動（複数回答）（N=308）

 

　住民が地震発生時にとった行動を見ると、図2.6のように、「その場でじっとして様子を見ていた」人が48.7％、「屋外に飛び出した」人が46.3％と多く、「全く動けなかった」人も27.9％いることがわかった。「机やテーブルの下にもぐった」人は6.5％、「ドアや窓を開けた」人は6.8％と、具体的な防災上正しい対応行動をとれた住民は非常に少ないことがわかった。突然の大地震に対しては、ただじっとしていて何もできなくなる状況に陥ってしまう傾向がみてとれる。

　地震が発生したときに自宅で火を使っていたかどうかを見ると（図2.7）、火を使っていた人が28.2％いたが、その火を使っていた87名を対象としてその後の火の始末をたずねたところ（図2.8）、「揺れている最中に火を消した」人が68.8％、「揺れが終わってから火を消した」人が4.2％と、多くの住民が火の始末をしたことがわかる。また、ガスのシステムが作動して「自動的に消えた」ケースも23.9％あったのは幸いである。しかしながら、「火を消そうと思ったが全てを消すことができなかった」住民も3.1％おり、この３％が火災に発展しただけでも非常に大きな被害が予想されるため、地震時の火の始末についてはさらに徹底される必要があろう。

図2.7　地震が発生した時の火の使用（N=308）

図2.8　地震の際、自身、あるいは家族の火の始末状況（N=87）

　続いて、地震が発生した後の停電の状況について見ると、十日町の住民の99.4％の自宅で停電が発生したことがわかった（図2.9）。その停電期間は、「当日のみ」が9.2％、「１〜２日間」が49.3％、「３〜４日間」が33.7％、「５日以上」が7.8％であった。この自宅の停電の状況によって、その後の避難生活、復旧活動が大きく影響を受けるため、地震災害における停電の問題は看過できない。

図2.9　地震発生後における停電の有無（N=308）

 

図2.10　停電が続いた期間（N=306）

 

　では、地震発生当日、十日町住民はどのような避難生活を送ったのだろうか。地震発生当日の夜、どこで過ごしたかを示したのが図2.11である。「自宅の家の中」で過ごした住民はわずか4.9％に過ぎない。最も多かったのは「車の中」の72.1％で、この車中避難が今回の新潟県中越地震の避難行動における特徴であったといえるだろう。「自宅の屋外（庭・ガレージなど）」で過ごした住民も3.6％いたが、一方で自宅から離れて「市・町内の親戚・知人の家」で過ごした住民は1.0％、「市・町外の親戚・知人の家」で過ごした住民は0.3％と非常に少ないことがわかった。「市・町が指定した避難場所」で過ごした住民も12.3％と比較的少ないことが明らかとなった。避難場所に避難した住民が少なかったのは、車中避難を行った住民が多かったことが影響していると考えられる。

図2.11　地震発生の日の夜すごした場所（N=308）

 

　地震発生当日に住民が困ったことを複数回答で示したのが図2.12である。これを見ると、多くの住民が困ったのが、「電気が止まった」(82.8％)、「ガス・水道が止まった」(67.9%)、「電話が通じなかった」(61.7%)というライフラインの寸断によるものであった。「余震が怖くて家に入れなかった」という住民も77.6％と非常に多く、この数字は先ほどの車中避難と自宅の屋外（庭・ガレージなど）に避難した数値を足し合わせたものに合致している。遠くに避難することはできないが、余震が怖いために家に入れなかった住民が、車中避難や自宅の屋外で避難したことがわかる。

　また、「トイレ」に困った住民が53.6％、「食事」に困った住民が39.0％、初冬の寒い時期であったために「暖房」に困った住民が31.2％、「寝具」に困った住民が12.6％と、多くの住民が生活必需行動に関わる問題を抱えていたことがわかる。また、「テレビを見ることができなかった」(46.4%)、「電話が通じなかった」(61.7%)、「携帯電話が通じなかった」（39.9%）など、メディア利用行動ができないために、情報を入手、発信することができず困った住民が多かったことが明らかとなった。「家族・知人の安否がわからなかった」という28.2％の住民も、この通信メディアの不通によるものであると考えられる。

 

図2.11　地震が発生した日の夜困ったこと（複数回答）（N=308）

 

　十日町における調査対象住民の被害状況をまとめると以上の通りであった。車中避難などのように新潟県中越地震特有の傾向も見られた。こういった状況にあった住民がその後、どのような避難生活を送ったのか、次章で考察を行う。

(福田充)

3　地震直後の避難行動

3.１　車中避難

車中避難の実態

新潟県中越地震では、多くの人がまず自家用車に避難した。本調査によると10月23日当日は、市・町が指定して避難場所に避難したという人も１割程度いるが、約７割の人が車の中に避難し一夜を過ごしている（図3.1）。

そして、当日以降を含めて、複数回答で、避難の場所を聞いたところ、８割の人が車中避難を経験している（図3.2）。車中避難をした人246人に避難した日数を聞いたところ、平均は3.1日で、５日以内の人が多く、それを越えると急激に人数が減っている（図3.3）。

	（N=308）

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのほか：○市内の職場　○勤務先（市役所）（2人）　○職場（市役所）　○職場（病院）　○テントの中　○空地でテント(2人) 　○農業用のビニールハウスの中　○病院(2人) 　○町内の公園　○町内の人と町内の公園で　○近くの会社の駐車場で近所の町内の人達と一緒に　○よその家の車庫の中　○近所のガレージ　○近所の空地　○近所の車庫

図3.1　　地震が起こった10月23日の夜、すごした場所(単一回答：N=308)

	（N=308）

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのほか：○勤務先（市役所）で災害対応に従事していた　○職場　○テント(4人) 　○空地でテントの中　○町内で空地でテント　○町内のテントの中で　○敷地内のテント　○友人の駐車場にテントを張った、自宅のガレージ(2人) 　○車庫(2人) 　○車庫（近所の人と一緒に車庫で過ごした）　○車庫の中に近所の人と　○よその家の車庫の中　○近所の車庫　○自宅かまぼこ型車庫、指定所以外の駐車場、個人医院の駐車場　○近所のガレージ　○近くの会社の駐車場で近所の町内の人達と一緒に　○町内の公園(2人) 　○公園　○近くの広場　○近くの電柱のない農道　○近所の空地　○自宅の庭　○ビニールハウスの中　○３日目から施設に入った身障者の介護の為

図3.2　地震の直後、自宅や敷地を離れて、どこに避難したか（複数回答；N=308）

 

 

　　図3.3　車中避難の日数（N=247　車で避難した人のみ）

 

車所有率の高さと車中避難

この車の避難が多かった理由には地域的な特性も関係している。新潟県中越地震の被災地は、電車やバスなどの公共交通機関が少ない場所であり、自家用車が主たる交通手段となっている。実際、本調査では、一世帯あたり平均すると2.12台の自動車を保有しており、これは、日本の平均世帯所有台

 

表3.1　家族の人数と自動車保有台数、世帯自動車保有台数、一台あたりの人口数

数の2倍にあたり、二人に一人が車を所有している計算になる。そして、世帯の人数が多いほど車の所有台数も多くなっている（表3.1）。１台あたりの人口数（1.99人）を考えると、自動車へ避難が手軽であり、可能であったのである。

車中避難の心理的要因

では、なぜ、車に避難したのであろうか。まず、�@車に避難した理由は家が震災により停電して家に居られなかったからであり、�A家や避難所などの建物の中にいるのが余震のため怖かったのである。そして、車は災害時の避難場所として、利点が多い。�B暖をとることができる、�Cプライベートも守られる、�D眠ることができる、�E余震に対して安全である、�Fラジオやカーナビのテレビなど情報入手手段があるからである。

「なぜ、車で寝泊りしたのか」ときいたところ、「建物の中にいるのが怖かったから（71.1％）」「余震が続くから（63.0％）」と、答えた人が非常に多い。続く余震に恐怖を感じたことが大きな要因であったようである。避難所であっても、建物の中にいるということ自体が怖かったのである。次に多いのが、「自宅のそばにいたかったからというものである（56.9％）」というものである。これは、地震で急に屋外に避難したものの、貴重品などを持ち出していなかったなどの理由があると思われる。他にも「暖を取りやすかったから（34.6％）」「情報が得やすかったから（19.9％）」「プライバシーが守られるから（16.7％）」と、自動車避難の利点をあげるものが多かった。

そして、少数ではあるが、消極的な理由もあげられている。「乳幼児や病人がいて避難所に居づらかったから」「ペットがいたので」という理由が少数ながら挙げられている（図3.4）。

 

 

 

 

 

 

 

　

 

 

そのほか：○ペット　○ペットがいたので　○ペットがいるので避難所に入ると嫌がられた　○ペットがいる為　○ペットが一緒だったから　○家族一緒にいたかった　○皆がそうするので　○犬を飼っていたので避難所はだめだった・犬も車の中にいた　○子供が家に入る事を怖がったから　○子供が建物の中にいられなかった　○子供が車の中がいいと言うので　○中学校が避難所になってたのですが中学校も全部ガラスが壊れて入れなかった　○避難所がなく外は寒かったから・避難場所が避難所の役割を果たしていなかった　○避難所の建物の中に入れなくて車の中にいた（→外に避難していた。建物内は危険と言うので）　○避難所の事がわからなかった・翌日町内の人が迎えに来てくれたので避難所に入った　○避難所の小学校体育館が危険だったので　○避難場所が完備されていなかった　○避難場所がよくわからなかった　○どこが避難所かわからなかった、町内の人と一緒だったから　○避難所が屋外で寒かったから　○市指定避難場所へ行っても同じ車の中での生活となるから　○他の事は考えつかなかった

 

図3.4　車中避難の理由（N=246）

車中避難の評価

　では車中避難をした人々は、避難の結果、どのようになったのだろうか。車避難は、「快適であった」という人は少ないし（1.6％）、「体調を崩した」という人も多かった（21.1％）。しかしその一方で、「プライバシーが守られた（19.5％）」「余震に対して安全だった（48.0％）」とメリットを指摘する人も多かった（図3.5）。

その結果として、「車に避難してよかった」という人は54.5％に達し、逆に「避難所に避難したほうがよかった」という人は4.1％に過ぎなかった。車中避難は快適とはいえないが、避難した人は車中避難を意外と評価しているのである（図3.6）。

 

 

 

 

 

 

 

図3.5　車中避難の結果（N=246）

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図3.6　車中避難の評価（N=246）

 

エコノミークラス症候群と車中避難の問題

一方報道では、地震数日後から、車中避難による「エコノミークラス症候群」が問題とされた。たとえば、毎日新聞では、2004年10月28日に「車内で避難の主婦死亡　エコノミー症候群か　新潟県中越地震で、車内で避難生活していた川西町野口、主婦、○○○○さん（48）が28日、肺塞栓（そくせん）で死亡した。同じ姿勢を長時間続けたことによる「エコノミークラス症候群」とみられる。広神村でも車に避難していた△△△△さん（84）が急性心不全で死亡し、死者は35人となった。被災地では余震が続き、約9万9000人が避難を続けている。」と、報道されているし、この前後、NHKをはじめとする放送各社も繰り返しこの問題をとりあげている。

エコノミークラス症候群とは、長時間同じ体勢でいた結果、血の流れが悪くなって足の静脈に血の塊ができ（血栓）、血栓が肺に流れ込んで動脈の血管が詰まるために起こる症状で 『下肢静脈血栓症と肺塞栓症の合併症』のことをさす。

総務省消防庁の発表資料によると、新潟県中越地震を直接・間接の原因としてなくなった人は46人であるが、車中避難の際になくなった人は合計で３人いた。しかし、そのうち、エコノミークラス症候群を理由としてなくなった人は、疑い例として１人しかいないのである（表3.3、表3.4）。エコノミークラス症候群はマスコミが問題にしたほど多くはないのである。

とはいえ、車中避難には危険性があることも、また事実である。災害直後は非常に過度のストレスを抱え、非常に不安な状況の中で、長時間・数日間、余震の恐怖を抱えながら同じ姿勢を保たねばならない車避難は、高齢者だけでなくあらゆる人にとって、苦痛を強いるものである。避難として辛いことに変わりはない。

　だが、余震の恐怖が続くなかでは、車中避難はやむをえない措置であり、より安全・快適な避難場所が用意されない限り、今後も行われ続けるのではないか。であれば、車中避難を行わなければならないときに、どのような点に留意し、どうすればよいかを考えおかなくてはならないだろう。これは今後の課題である。

表3.3　新潟県中越地震の被害（総務省消防庁，2005.3.18（第66報））

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■災害死 ◇外傷（17名） ・３４歳男性１名：建物外壁の下敷き（十日町市） ・４２歳男性と７５歳女性の２名：濁沢地内において、土砂崩れによる家屋倒壊による生き埋め（長岡市） ・母子２名：小出町から新潟市に向かった途中の道路での土砂崩れ（長岡市） ・５５歳男性１名：車庫の倒壊により下敷き（小千谷市） ・１１歳と１２歳の男子、１１歳女子：塩谷地区での家屋倒壊（小千谷市） ・７６歳男性１名：市立病院において、地震により経口チューブがはずれる（住所：越路町）死亡（小千谷市） ・７７歳女性１名：両津新田地内で、生き埋めになり救助されたが、搬送先の病院で死亡（小千谷市） ・１２歳女性死亡、６４歳男性：土守中山地内で家屋倒壊（川口町） ・８２歳女性死亡：木沢地内で家屋倒壊（川口町） ・７８歳男性１名：和南津地内で家屋倒壊（川口町） ・７８歳女性と５４歳男性：南平地内で、土砂崩れによる家屋倒壊（山古志村） ◇地震によるショック死（14名） ・６５歳女性：地震によるショック（十日町市） ・乳幼児（２ヶ月）：地震によるショックで市内病院において（十日町市） ・７３歳男性：地震のショックによる脳内出血で（長岡市） ・７０歳女性：地震によるショック（小千谷市） ・８９歳男性：地震によるショック（小千谷市） ・８５歳男性：地震のショックによる急性心筋梗塞（小千谷市） ・６８歳女性：地震のショックによる脳内出血（小千谷市） ・８１歳男性：地震のショックによる急性心筋梗塞（小千谷市） ・４４歳女性：地震のショックによる心筋梗塞（魚沼市・旧湯之谷村） ・９１歳男性：地震のショックによる急性心不全（魚沼市・広神村） ・７０歳男性：地震によるショック（住所：小出町が宿泊先で）（湯沢町） ・６０歳男性：地震によるショック（見附市） ・８０歳男性：地震のショックによる脳梗塞（小国町） ・８３歳女性：余震のショックによる胸部大動脈瘤破裂（南魚沼市・旧大和町） ■災害関連死 ◇車中避難関連（3名） ・５３歳男性：避難中の車内で脳疾患（十日町市） ・７４歳女性：避難中の車内で疲労による心疾患（十日町市） ・４３歳女性：エコノミークラス症候群（肺動脈塞栓症）の疑い（小千谷市） ◇疲労など（12名） ・７８歳男性：地震後の疲労等による心不全（十日町市） ・５９歳男性：地震後、容態が悪化し肺炎のため（長岡市） ・２０歳男性：（住所：上越市）が、地震によるＰＴＳＤからくる悪性高熱等（長岡市） ・８８歳男性：地震による栄養障害及び持病の悪化等（小千谷市） ・８４歳女性：地震の疲労等による誤飲（川口町） ・４１歳男性：（住所：妙高高原町）が復旧作業中、菌吸引による肺炎により（川口町） ・６７歳男性：地震後の疲労等による心筋梗塞（魚沼市・小出町） ・８４歳女性：過労及びストレスによる急性心不全（魚沼市・堀之内町） ・６９歳男性：地震後の疲労等（魚沼市） ・３２歳男性：地震による疲労が原因と思われる交通事故（山古志村） ・４８歳女性：過労及びストレス（川西町） ・７１歳男性：地震後の疲労などによる心筋梗塞（栃尾市）

表3.4　新潟県中越地震の死亡者の死亡要因（総務省消防庁2005.3.18（第66報））

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.2　宿泊施設避難の実態

宿泊施設避難と風評被害

地震などの災害によって、被災者だけではなく、周辺観光地の宿泊施設も被害をうける。問題なのは、建物などへの直接的な被害のほかに、直接的被害を受けていない場所でも、「危険視」や「遠慮」による旅行者減で「風評被害」が発生することである。

　風評被害は、基本的に、事業者の損害なので、金銭的な公的支援は受けられない（融資条件の緩和などによる間接的支援はある）。だが、これをなんとか現行の法制度の枠内で支援することはできないものだろうか。たとえば、被災者に旅館やホテルなどの宿泊施設を避難所の代わりに使ってもらい、その宿泊費用を地方自治体が拠出することによって、間接的に宿泊施設への支援を行う、というのも一案である。

火山災害の場合は火山の周辺には温泉地が多く、温泉地を中心にこのような風評被害がおこることから、特に有用な対策となるのではないかと考えられる。

宿泊施設避難の実態

今回の地震災害では、多くの温泉地や宿泊施設が被災者を受け入れようと希望者をつのった。だが、実際にこの制度を利用して宿泊施設を利用する人は少なかった。本調査で、「今回の地震のあと、温泉地に無料で避難することができました。このような温泉地に避難しましたか。」と聞いたところ、実際に温泉地への避難を経験した人は1.9％であった。また知らなかったという人も2割程度いた（図3.7）。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図3.7　温泉地に無料で避難できたが、避難したかどうか（N=308）

 

 宿泊施設への避難した人が少ない理由

　では、なぜ宿泊施設への避難した人が少ないのであろうか。避難しなかったという234人に、その理由を聞いた。ここでは、「もともと避難する必要がなかったから」という101人を除いた133人の回答を分析する。

回答では「仕事があったから（33.1％）」「家族の都合が合わなかったから（14.3％）」など、止むを得ない理由もみられた。また「情報が得にくくなると思ったため（4.5％）」「泥棒を警戒して（2.3％）」「顔見知りの人たちと一緒にいたかったから（9.8％）」などの理由は、情報入手手段、警戒態勢の強化、地域毎で温泉地に行くなどの方法で改善可能であるかもしれない。だが、これらを理由として答えた人は少数であった。

その一方で、多くの人があげた理由は、個人的な感情的、精神的な問題であった。すなわち「なんとなく温泉に行く気分になれなかったから」という人が38.3％、「この土地を離れたくなかったから」という人は30.1％、「他のことで頭がいっぱいだったから」という人が30.1％であった(図3.8)。

そのほか：　○家の片付けがあった。　○家の片付けがあり、そんな遠くに行っている暇はなかった。　○家の片付けで忙しい。○混んでいるという情報があった。　○混んでいると話を聞いた。　○混乱しているという話を聞いたから。　○もっと大変な人がいるから。　○寝たきりの人がいるので。　○老いた両親をみている為。　○行った時点で、まだ地震がくるのではないかと不安があったから。　○腰が悪かった。　○自分の家に居たかった。　○実家に避難したから。　○主人の実家に避難したから。　○充分な情報もなかったから。　○オムツまで持って行く気になれなかった。　○体調が悪くなったため。　○町内の役員なので行けなかった。　○十日町以外の子供の所へ行った。

図3.8　避難しなかった理由（N=133）

 

このように、個人的な感情的、精神的な問題が大きいために、宿泊施設への避難を希望する人が少ないとすれば、これまでのように希望者を募って宿泊施設に行くのではなく、期間ごとに地区を指定して、ローテーションしながら、原則として地区全体でそうした宿泊施設に行く方式に改めたほうがよいのかもしれない。

（関谷直也）

流言　　

　今回の新潟地震での流言は大きくいって�@今後もまた地震がくるかもしれないという「地震予知流言」、�A「宏観異常現象に類するうわさ」、�B本震の前に地震がくるかもしれないという予言があったという「地震前の予知に関する流言」、に分けられる。

　特徴的なことは、１月中旬とくに１月の１４日から１６日に大きな地震がくるという流言が集中していることである。

なお、気象庁の余震発生確率の発表は12月16日が最終報であるので、気象庁発表の余震発生確率に関する情報が原因とは考えにくい。

関係ある要因としては、年末におきたスマトラ沖の地震に関する報道、阪神・淡路大震災10周年で年始から１月１７日にかけて、様々なテレビ局・新聞において特集番組・特集記事が組まれたが、このことが何らかの形で、「１月の中旬」を中心とする余震流言の発生に影響しているのではないかと考えられる。

　余震が続き、今後の避難生活への見通しが立たないという不安の中で、多くの災害に関する情報が報道され、このことによって、人々の地震に関するコミュニケーションを喚起したものと考えられる。

 

表3.5　新潟中越地震のときに聞いた流言（十日町）

(関谷直也)

 

 

４.災害情報

4.1報道

安否情報

　新潟県中越地震における、テレビ・ラジオ・新聞など報道機関の対応に関する住民の評価についてみていくことにする。まず、NHKが教育テレビなどで行なった「安否情報」についての評価である。「地震当日のNHKの『安否情報』を見たり聴いたりしましたか」という質問（問20）に対して、「見たり聴いたりした」と回答した人は35.4％、「見たり聴いたりしなかった」と回答した人は64.6％という結果であった（表1）。安否情報を視聴・聴取しなかった人が多かったものの、安否情報を視聴・聴取した人が3割以上というこの結果は、安否情報への接触率が高かったと言えるだろう。

 

表4.1　NHKの「安否情報」の視聴・聴取状況（％）〔N=308〕

 

　では、「安否情報」を視聴・聴取した人は、この情報をどのように評価したのであろうか（問20-1、複数回答）。最も多かった回答が「多くの人々が心配してくれる様子を知ることができてよかった」の70.6％だった。また、この「安否情報」で、「親戚や知人の安否がわかった」という人が8.3％、「親戚や知人と連絡を取るきっかけとなった」が同じく8.3％、「実際の安否が流されなかったので役に立たなかった」が14.7％だった（図4.1）。つまり、NHKの「安否情報」が果した役割で最も大きかったことは、実際の安否確認ではなく、「いろいろな人たちが心配してくれている」という、言わば激励による「安心感」を与えたということである。ただ、実際の安否確認で役に立ったという人は2割に満たなかったものの（16.6％、「親戚や知人の安否がわかった」+「親戚や知人と連絡を取るきっかけとなった」）、この数値は、NHKの「安否情報」は、最大の目的である安否確認にある程度役に立ったことになり、必ずしも小さいものとはいえないだろう。

　次に、「『安否情報よりも被災地向けの身近な被災状況や生活情報をもっと伝えた方がよい』という意見がありますが、どう思いますか」という質問をしたところ（問21）、「そう思う」と回答した人が64.3％、「わからない」が26.0％、「そう思わない」が9.7％だった（図4.2）。この結果から見ると、放送に対しては、「安否情報」よりも、自分たちに関わる「被災情報」や「生活情報」の伝達を期待する人が多いようである。

図4.1.NHKの「安否情報」に関する評価（％）〔Ｎ＝109　M.A.〕

 

図4.2「安否情報よりも被災地向けの身近な情報を流した方がよい」という意見について（N=308）

 

「生活情報」への評価

　地震の後、放送・新聞各社が、被災者向けの生活情報を伝えていたが、これらについての評価を質問したところ（問22、M.A.）、表4.2のような結果となった。この結果から、被災地の住民は、�@FM放送やコミュニティFM放送よりも、開局してから時間が経っているテレビやラジオ（AM）から情報を得ようとする人が多い、�A全国紙よりも地元紙から情報を得ようとする人が多い、という傾向があることがわかる。

 

表4.2.報道機関が提供する生活情報への評価（％）〔M.A.　N=308〕

 

報道全般の評価

　今回の地震に関する、テレビ・ラジオ・新聞の報道全般について、いくつかの項目を挙げて質問したところ（問23、Ｍ.Ａ.）、最も回答が多かったものが、「地域が偏っていて、救援物資が届く場所と届かない場所が出てきた」の49.7％、次に多かったものが、「地域が偏っていて、自分の住んでいる地域についての情報が少ない」の44.8％で（表4.3）、情報が特定の地域に偏っていることへの不満が多いことがわかる。これは、「阪神・淡路大震災」における被災地の調査でも見られたことであるが、災害時に報道機関が取り上げる地域は、顕著な被害が見られるところなど、言わば「画になる」地域に集中しやすく、報道の対象にならない、または報道される量が少ない地域の住民に、ある種の不公平感が生まれる。今回の地震でも、このような傾向が見られたのである。

 

表4.3　報道全般への評価（％）〔Ｍ.Ａ.　Ｎ＝308〕

 

 

4.2地震情報

余震

　「新潟県中越地震」は、非常に強い揺れの余震が多く発生した点に関しても注目が集まった。では、被災地の住民は、余震ならびに余震に関する情報について、どのように感じていたのであろうか。

　まず、余震に対してどのように感じたかについて質問したところ（問31）、「非常に恐かった」と回答した人が81.2％と圧倒的に多く、「あまり恐くなかった」と回答した人は、わずかに1.0％、「全く恐くなかった」と回答した人は0だった（図4.3）。つまり、実に99％の人が、余震が恐いと感じたことになる。

図4.3　余震の恐さ（N=313）

 

　次は、気象庁が発表する「余震に関する発生確率」についての評価である。

気象庁が発表した余震の発表確率を聞いたかどうかについて質問したところ（問32）、76.4％の人が「聞いた」と回答している。この「余震の発表確率を聞いた」と回答した人に対して、示された数値を聞いてどのように受け取ったかについて質問したところ（問32-1）、「確率は高いと思った」と回答した人が81.2％を占めており、多くの人が、余震の発表確率で示された数値は、余震発生の可能性が高いと感じていたことになる。

図4.4余震の発生確率に関する評価（N=239）

　では、この余震の発生確率を聞いて、被災地の住民は何を考え、どんな対応をしたのであろうか。この点について、質問したところ（問32-2、M.A.）、最も多かった回答が「不安になった」で、全体の71.1％を占めていた。以下、「余震に対して心の準備ができた」（46.0％）、「余震に注意といわれても、どう行動していいのかわからなかった」（42.3％）、「確率で示されても、どう行動していいのかわからなかった」（33.5％）、「避難する判断の基準になった」（23.0％）の順だった（表4.4）。このことから、余震の発生確率の発表が、人々の心の準備や避難に関する意思決定に有効であった面があるものの、「不安になった」や「どう行動してよいのかわからなかった」といった、具体的な対応行動に結びつかないと評価している人が多いことになる。

表4.4　発表された余震の見通し（M.A.　N＝239）

　そして、これらの余震発生確率に関する情報が役に立ったかどうかについて質問したところ（問32-3）、何らかの形で役に立ったと回答した人（「大変役に立った」+「多少役に立った」）が77.8％を占めていた（図4.5）。

図4.5　余震の発生確率への評価（N＝239）

　

さらに、これからの余震の発生確率の発表のあり方について質問したところ（問33）、「パーセントだけではなく、『可能性が非常に高い』などの表現も必要と回答した人が40.3％と最も多く、次いで「今まで通りのパーセントの数値で発表してほしい」が35.1％を占めていた（図4.6）。この結果から、補足説明を付加する場合も含め、パーセントの数値での発表を求める人が多く、パーセントの数値を提示しない発表方法を望んでいる人は少ないことがわかる。

図4.6　望ましい余震の発表確率の発表方法〔％〕（N＝313）

 

　

震度・活断層

　この地震では、震度の観測に計測震度計を導入して以来、はじめて「震度7」が、新潟県川口町で記録された。しかし、この震度7の記録が確認され、一般に公表されたのは最初の地震発生から約1週間経ってからであった。このような震度の情報に関する人々の意識や評価について質問したところ（問34）、表4.5のような結果となった。

 

表4.5　震度情報に関する評価〔％〕（M.A.　N=313）

 

　最も多かったのは「震度でイメージされる被害と実際の被害には差があると思う」の61.0％であった。震度と実際の状況との格差を問題視する人が多いことになる。また、前述のように、この地震で注目された「川口町・震度7」の発表が遅れたことに関係する「震度の発表が遅れたり間違えることはあってはならないと思う」を回答した人が47.9％と半数近くを占めていた。現在の震度情報は、�@気象庁の気象官署にある震度計、�A気象庁が気象官署以外に設置している震度計、�B都道府県などの自治体が設置した震度計の情報が、気象庁で集約されて発表されている。川口町の震度計は�Bの自治体が設置した震度計である。�@の気象官署にある震度計は気象庁の専用回線（ADESS）で情報が伝達されるが、�Aや�Bの震度計は、一般回線で情報が伝達されるものがほとんどである。特に�Bの都道府県などの自治体が設置した震度計は、観測点からの情報が都道府県にまず集まり、次に都道府県から地方気象台など地元の気象台に伝えられ、その後、情報が東京の気象庁に届くようになっている。こういった事情から、都道府県が設置した震度計の情報は、一般回線を使っているために輻輳などにより情報伝達が遅れることもある上に、気象庁へ情報が集まるまでは、いくつかの中継が必要となり、そのどこかで支障があった場合も正確な震度情報が伝わりにくくなるのである。住民の希望のとおり震度情報が遅れたり間違えることがないようにするためには、全国の震度計をすべて専用回線によって結ぶなどの対応が必要となるが、費用などが嵩むため速やかに実現させることは難しく、現実的には、震度情報は変更されることがあるということを、さらに徹底して周知することや、情報を伝える各報道機関も、震度情報の数値だけに依存しない取材のあり方などを検討することが求められているのではないだろうか。

　次に、この地震が発生する直前に政府の地震調査推進本部が「長岡平野西縁断層帯」という断層の存在を発表したことについての認識度を尋ねたところ（問35）、「知っていた」と回答した人はわずかに4.5％で、ほとんどの人は「知らなかった」と回答している（図4.7）。

図4.7　「長岡平野西縁断層帯」の認知度（N=313）

 

4.3地震対策

　「新潟県中越地震」の被災地域の住民は、この地震が発生する以前は、自分の住んでいる地域で大きな地震が発生知ることを考えていたのであろうか。この点について質問したところ（問36）、「まったく思っていなかった」と回答した人が52.4％、「あまり思っていなかった」と回答した人が32.6％という結果が出ており、大きな地震が起こると考えていなかった人が85％を占めていることになる（図4.8）。

図4.8　大地震発生の不安（N=313）

 

　次に、この地震が起こる前の地震対策について質問したところ（問38　M.A.）、回答者の8割以上が無回答（対策なし）で、「非常持ち出し用品の用意」が12.1％、「家具の固定」は6.7％、「耐震補強」は2.9％だった（図4.9）。このんことから、ほとんどの人が、質問で挙げた地震対策を行なっていなかったことがわかる。

図4.9　事前の地震対策〔％〕（M.A.　N=313）

 

　この質問で、「非常持ち出し用品の用意」を回答した人に、地震の際、夭死していた非常持ち出し用品を持ち出すことができたかについて質問したところ（問38-1）、「持ち出せた」と回答した人と「持ち出せなかった」と回答した人が、ほぼ半々だった（図4.10）。

図4.10　「非常持ち出し用品」の持ち出しができたか（N=38）

 

　これに関連して、「自宅から非常持ち出し用品が持ち出せないことを考えて、あらかじめ地域や避難場所での水や食料の備蓄を考えた方がよい」という対策案について質問したところ（問39）、85.6％の人が「考えた方がよいと思う」と回答している（図4.11）。

　基本的に各世帯で非常持ち出し品を備えることが必要であるが、現実の問題として、仮に非常持ち出し品を用意していても持ち出せなかった人が少なくないことから、方法は地域によって様々であるかもしれないが、その地域の人々が非常時に避難する場所に予め備蓄をしておくことが、今後の災害対策に求められているように思われる。

 

 

 

図4.11　避難場所など地域単位の非常用品備蓄について（N=313）

 

　そして、この地震の後の対応行動について４つの事例を提示して質問を行なった（問40，M.A.）。その結果、「墓を見に行った」と回答した人が56.2％と最も多かった（図4.12）。地震の後、墓を見に行くという対応は、これまでの地震災害でもしばしば聞かれる行動であったが、この地震でも、多くの人が墓を見に行っている。このような対応は、言わば、日本人に共通した地震後の対応の特性といえるかもしれない。ただし、墓石は、ある程度の地震の揺れで必ず転倒・回転などをするものである。これまで、地震時における墓石の転倒防止などの対策は、あまり話題になったことはないが、今後、検討する課題の１つではないだろうか。また、当然のことであるが「新潟県中越地震」のように大きな地震の後は余震が続く。そのため、大きな地震の直後に墓地を訪れることは、ある意味、危険をともなっていると考えられる。このような点についても、今後、検討・周知する必要があるのではないかと思われる。

 

図4.12　地震後の対応〔％〕（M.A.　N=313）

（中森広道）

５．通信の問題

5.1設備被害

　まず固定電話だが、設備被害は固定電話にそれほど大きな影響をもたらさなかった。被災地域では59ビルで停電したが、補助電源（蓄電池53ビル、エンジン給電６ビル）が適切に機能したおかげで、停電による影響はなかった。阪神大震災の時には停電による交換機停止により、９万回線が止まったことと対照的である。バッテリーの揺れ対策やフレキシブル配管などの効果があったものと思われる。一方、土砂崩れなどにより、中継ケーブルが６箇所で切断され、山古志村等で4450回線が不通となった。中継回線の二重化が進んでいたために、この程度の被害で済んだと評価できるだろう。

　その一方、携帯電話も土砂崩等により基地局とのケーブルが切断される被害があった。しかしより注目されるのは、停電により基地局が停波したことである。総務省によると、携帯電話の基地局は各社あわせて189局(NTTﾄﾞｺﾓ=61,au=37,ﾎﾞｰﾀﾞﾌｫﾝ=91局(注１))が機能を停止しているが、その多くが停電によるものだった。例えばａｕは33局程度、ボーダフォンは82局が停電によるものだった。NTTドコモでは最大ピーク時に34局(箇所)で停波したが、うち27局(箇所)が停電によるものであった。基地局には停電用のバッテリーが装備されているが、その多くが２時間程度しかもたず、発電機をもって駆けつけようとしても、交通障害や避難勧告によってたどり着けない状況が続出したのである。そのため地震からしばらくして被害が広がっている。たとえばドコモで停波したのは地震直後に12局(PDC)だったが、１日後の24日17時の段階では34局(PDC)に増えている。山間部あるいは広域災害が予想される所では、災害時に基地局へ駆けつける時間が長くなることが予想されるので、補助バッテリーの強化などの対策が必要であろう。

　停電による通信障害と言えば、行政が使う衛星系の防災無線でも障害が発生した。その結果川口町の震度７が伝達されず、１週間後の30日になってようやく判明したのである。これは停電により県の防災無線が機能停止したためである。こうした機器には非常用としてバッテリーが備えられていることが多いが、それがなかったのである。その結果新潟県内の19の市町村で回線断となった。また回線不足で遅延も発生した。新潟県設置の観測点は104あるが、それにも関わらず。衛星回線が18回線しかないのである。その結果、9分後の締め切り時に着信したのは42、遅延41、そして停電で未着21となってしまった。

　ここからも、災害時の通信において、停電対策が極めて重要であることがわかる。

 

(注１)停止した局の数え方は各社で異なっている。すなわちボーダフォンは第二世代(PDC)と第三世代（IMT等）の基地局をダブルカウントしているがドコモは箇所数である。またａｕには第二世代の局はない。箇所数でいえばボーダフォンで停波したのは60箇所である。

　　　　

5.2輻輳対策

激しい輻輳

　今回の中越地震では、固定電話では通常時の50倍、携帯電話でも45倍の通話が発生し、大規模な通信規制が行われた。すなわちＮＴＴでは固定電話、携帯電話ともに最大75％の規制となり、ａｕでは関東全域で90％の規制がかけられた。このため電話や携帯電話が大変通じにくくなってしまった。

携帯メールがつながりやすい

　そこで、地震当日、各通信メディアがどのくらい通じたかを被災者に尋ねた。いずれも使おうとした人を母数にしているが、つながりにくく全く使えなかった人をみると、IP電話が100％と全く通じず、固定電話が83.9％、携帯音声が63.9％と半数以上が全く通じず、大変通じにくかったことがわかる。ついで公衆電話が46.2％、携帯メールが24.8％と前３者に比べて、比較的通じやすくなっている。中でも携帯メールは、完璧ではないものの、災害時に最も通じやすいメディアであるといえるだろう。

　IPは利用者が少なく、はっきりしたことは言えないが、停電により使えなくなったものと思われる。固定電話、携帯音声は輻輳によるもので、公衆電話がややつながりやすかったのは、災害時優先電話の扱いがなされているからである。

パケット別制御の効果

他方携帯メールがつながりやすい理由は２つある。１つは携帯メールがデータを一旦センターに預けて、その後受信者に送信する蓄積型の仕組みのため、送信者−受信者双方の回線が同時に確保される必要がない。それでつながりやすいという理由である。第二にはＮＴＴドコモのＰＤＣ(商品名「ムーバ」)では、2004年４月から輻輳時に音声とパケット通信を別々に制御する仕組みをスタートさせたからである。携帯音声は激しく輻輳するが、パケットはそれほどでもない点を利用したのである。NTTドコモによれば、中越地震の際、携帯電話の音声は上述のような規制をかけたが、パケット通信は特に規制をかけなかったという。

 

図5.1各通信メディアの疎通状況

 

　この効果は、事業者別につながりやすさを見てみるとよくわかる。まず携帯音声からみると、「つながりにくく、全く使えなかった人は」ドコモで65.1％、ａｕで52.9％、ボーダフォンで42.9％となっている。これはこの地域の加入者数の多さに比例しており、加入者が多ければ輻輳もそれだけ激しかったことを示している。ある意味、当然の結果といえる。

 

図5.2事業者別疎通状況−携帯音声−

 

　一方携帯メールの疎通具合を見てみると、「つながりにくく、全く使えなかった人は」ドコモで34.2、ａｕで50.0％、ボーダフォンで33.3％であった。利用者が最も多く、携帯電話の音声でもっともつながりにくくなっていたドコモが、携帯メールでは、最もつながりやすくなっている。現在パケット通信の別制御はドコモだけが行っており、別制御の効果がここにはっきりと現れているのである。

　ただ別制御のドコモでもつながりにくい人はいる。その原因としては第一に、第三世代携帯のＦＯＭＡでは、まだ別制御がなされていないことが考えられる。しかしＦＯＭＡの普及度から見ると、ＰＤＣでもつながりにくかったと考えられ、やはりＰＤＣのメールでも若干の輻輳があったようである。

 

図5.3事業者別疎通状況−携帯メール−

 

5.3　災害用伝言サービス　

利用者は増えたが

　災害時の輻輳下でも安否確認を可能とするために開発されたのが、固定電話の「災害用伝言ダイヤル」や携帯電話の「災害用伝言板」といった、災害用伝言サービスである。

　　　　　　　　　

　　　　図5.4　ｉモード災害用伝言板利用数

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ＮＴＴドコモ・ニュースリリースより　　

　固定電話では災害用伝言ダイヤル（１７１）が1998年３月から開始され、これまで最も多く利用されたのは「2000年鳥取県西部地震」の時で、約20万の利用があったが、今回の新潟県中越地震ではそれを上回る35万4千件の利用があった(注１)。

　一方携帯ウエッブの「災害用伝言板」は、ＮＴＴドコモが2004年１月から始めたが、中越地震において、登録10万6千件、再生14万5千件、あわせて25万３千件の利用があり、サービス開始以来、最大の利用数となった。（災害用伝言板サービスは2005年１月からａｕ・ツーカーでも開始されている。）

　災害用伝言ダイヤルにせよ、ｉモード災害用伝言板にせよ、いずれも10万件を越えるメッセージ登録が行われたことは、ある程度活発に利用されはじめたと評価することができるだろう。問題は実際にそれらが役だったか、ということになる。　

 

低調な被災地内の利用

　アンケート調査によれば今回十日町市で災害用伝言ダイヤルを使った人は1.3％で、ｉモード災害用伝言板を使った人は1.6％にとどまった。災害地内ではほとんど使われていないといえる。ＮＴＴ東日本の分析によると、中越地震時、災害用伝言ダイヤルの全録音における新潟県内からの録音はわずか14％にすぎなかったという。新潟県内でも中越地域、さらに深刻な被害を受けた地域からの録音は、アンケートの利用率から言えば、さらに大幅に少なかったはずである。災害用伝言ダイヤルの利用は、その多くが県外からの、安否を問うものであったのである。

同様のことは携帯電話のiモード災害用伝言板にもいえるだろう。

　しかしその一方で、少数ながらもこれらのサービスを利用した人を見ると、半数前後の人が「役に立った」と答えている。利用すれば役に立つシステムなのである。

 

　表5.1　災害用伝言システム利用率・役立ち率

	新潟水害	豊岡水害	中越地震
災害用伝言ダイヤル(171)	0.6(3人)	0.6(2人)	1.3(4人)
→役に立った	33％(1人)	100％(2人)	75％(3人)
ｉモード災害用伝言板	0.7(4人)	0.3(1)	1.6(5人)
→役に立った	50％(2人)	100％(1人)	40％(2人)

 

使わない理由

　ではなぜ、使えばある程度役に立つこうしたサービスが、被災地では使われないのであろうか。その最も大きな理由は、知名度不足である。アンケートを行った２月の現在、これらのサービスを知っているかをたずねたところ、災害用伝言ダイヤルでは68.2％が、災害用伝言板については84.1％の人が「知らない」と答えている。さらに知っている人にいつ知ったかをたずねたところ、「自身の前から」知っていた人は、災害用伝言ダイヤルで30.6％(全体では9.7％)、災害用伝言板では10.2％(全体では1.6％)にすぎず、現在知っている人もたいていは今回の地震をきっかけに知ったのである。停電でテレビも見られない状況下では、あらかじめ知識がなければ、これらのサービスを実行することは極めて困難である。

　　

　　　　　　　　　　　　　　　図5.5　現在知っているか

　　　　　　表5.2　知った時期

	今回の地震の前から	今回の地震のとき	最近になって
災害用伝言ダイヤル(98)	30.6	58.2	11.2
モード災害用伝言板(49)	10.2	67.3	22.4

 

 

 

 

　　　　　　　　　　　　図5.6　災害前から知っていたか

　

　知名度・知識の他に、利用しなかった主な理由は２つである。１つは「相手が使うとは思えなかった」というもので、もう一つは、これは災害用伝言板にあてはまるが、「メールが使えた」というものである。アンケートでは、災害用伝言ダイヤル(１７１)やｉモード災害用伝言板を知っていて、なおかつ使わなかった人にその理由を尋ねた。その結果「相手が使うとは思えなかった」が災害用伝言ダイヤル(１７１)では36.2％、ｉモード災害用伝言板では27.3％の人が使わない理由として挙げている。また、ｉモード災害用伝言板では40.9％の人が「メールが使えたから」使わなかったと答えている。　もちろんメールが使えれば、目的が達成されるわけだから、それはそれでよいといえる。　

　しかし「相手が使いそうもない」というのは解決可能である。家族、親戚、知人の間で、「災害時に電話が使えないときには災害用伝言システムで連絡を取ろう」と話し合っておけばよいのである。盆や正月など、人が集まる機会をとらえて広報を充実させ、こうした話し合いを促進することが重要であろう。

 

　　表5.3　災害用伝言システムを使わなかった理由(現在知っている人のうち)

	存在を知らなかった	安否を伝えることに気がまわらなかった	つながらないと思った	使い方がわからなかった	相手が使うとは思えなかった	メールが使えたから	その他
災害用伝言ダイヤル	21.3	12.8	8.5	24.5	36.2		9.6
ｉモード伝言板	25.0	4.5	4.5	18.2	27.3	40.9	6.8

 

 

　　表5.4　災害用伝言ダイヤル(１７１)の知名度(災害前から知っていた率)

	知らなかった	知っていた	聞いたこともなかった	聞いたことはあるが使い方までは知らなかった	聞いたこともあるし使い方も知っていた	その他
2004年中越地震	90.3	9.7
2004年豊岡水害			63.6	31.3	4.7
2004年新潟水害			80.7	14.7	4.6
2003年十勝沖地震			53.5	37.8	5.4
2003年宮城北部地震			45.7	44.9	8.6	0.7
2001年芸予地震			70.2	23.9	5.9
2000年東海水害			79.5	17	3.6

 

放送の責任

　災害用伝言サービスの知名度をアップするためには、放送の役割が不可欠である。では今回テレビではどのような放送をしていたのだろうか。われわれは、災害当日のＮＨＫテレビ(東京)を録画し、その中から電話に関する内容を全てピックアップしてみた。表5.5はそれを時系列的に並べたものである。それによると次のようなことがわかった。

　第一に、当日ＮＨＫ東京では、災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板について、一言も放送されていなかった。これは意外な事実であった。筆者のみたところ、日本テレビなど民放では災害用伝言ダイヤルの利用法まで丁寧に説明していたが、どうしたことであろうか。被災者のなかには災害用伝言ダイヤルについてＮＨＫで聞いたと言う人がいるので、新潟ローカルでは放送していたのかもしれない。しかし、だからといって東京からは放送しなくてもよい、ということにはならないだろう。第二に、放送では、役場・記者・住民など現地からの声として、「電話が通じない」という発言が頻発されていた。たとえば電話関連の最初の情報は六日町役場の職員による「現在のところ電話が使えませんし、詳しい情報が入ってきていません。」という発言であった。第三に、それにもかかわらず電話についての取材報道は極めて少なかった。18時56分の「ＮＴＴによりますと、地震の影響で全国から新潟への電話が集中して、電話の交換機の処理能力を超え、電話がかかりにくい状態が続いています。ＮＴＴは緊急の電話以外は、被災地への電話を控えるよう、呼びかけています。」と、21時40分すぎの「電話の方ですけどもＮＴＴ東日本によりますと現在地震があった新潟県に向けて全国から電話が集中しているため、電話交換機の処理能力を超えて電話がかかりにくい状態が続いています。ＮＴＴ東日本では地震があった地区の電柱や電話線等の通信設備について、被害がないかどうか確認を急いでいます。」の、２回だけである。これは、道路、電気、ガス、水道等、他のライフラインに関する報道に比べても、著しく貧弱である。現地で電話に困っていることはわかっているのだから、もっと電話関連の情報を提供すべきだったのではないだろうか。第四に、携帯電話についての情報は全くなかった。災害用伝言板の告知はもちろんだが、関東一円でかかりにくくなっているとか、メールはつながりやすいとか、流すべき情報はいろいろあったのではないだろうか。第五に、それに対してＮＨＫが安否放送をしているという告知は極めて多かった。ＮＨＫも宮城県北部地震の際などは災害用伝言ダイヤルの告知をよくやっていたのに、今回全くしなくなったのは、ひょっとしたらこのことと関係しているのだろうか。

　いずれにせよ、放送は通信会社と連絡を密にして、災害用伝言サービス等の情報提供を積極的におこなってもらいたいものである。

 

表5.5　電話関連のＴＶ放送　NHKテレビ(東京)　23日17時56分〜24日１時40分

時刻	内容
17：58	臨時ニュース｢ここで地震のニュースをお伝えします。先ほど午後5時56分ごろ甲信越地方で強い地震がありました。震源については現在気象庁で調べています。仮に震源が海底ですと津波のおそれがあります。揺れが強かった海岸付近や川の河口付近では念のため津波に警戒をしてください。｣ その後、各地の震度、 被災者への呼びかけ−「先ほど地震で揺れが強かった地域のみなさんにお伝えします。まず、落ち着いて行動してください。落ちてくるものや、倒れてくるものから身を守って下さい。揺れが収まるのを待って火の始末をして下さい。津波のおそれがありますので、海岸や河口付近には近づかないでください。先ほど地震で揺れが強かった地域のみなさんにお伝えします。まず、落ち着いて行動してください。地震の揺れで住宅が被害を受けている恐れがあります。身の回りの安全を確かめてから行動してください。家の中で火を使ったりしていないでしょうか。火災の心配がありますので火を消してください。アイロンやドライヤーをお使いの家庭ではスイッチを切りましょう。津波の恐れがありますので海岸や河口付近には近づかないで下さい。｣ 「津波の心配なし」、震源の深さ・マグニチュード、
18：01	新潟市内の様子、東京・渋谷の様子、震源の深さ・マグにチュード、各地の震度、震度の詳しい情報が入っていない地点　、NHK新潟放送局の地震発生時の様子、NHK新潟放送局の地震発生時の様子、道路の通行止め、小千谷市のけが人情報
18：16	午後6時12分ごろ余震が発生
18：19	NHK新潟放送局アナウンサーとの電話−新潟の状況
18：22すぎ	六日町役場の関氏と電話−役場の中の様子 関「現在のところ電話が使えませんし、詳しい情報が入ってきていません。」 関「ガス、水道につきましては、ガスは都市ガスではなくプロパンガスなのでよくわかりませんが、水道もとりあえず電話が使えないもので、全く被害の状況が入っていない状況です。」
18：27	新潟・スタジオから新潟県内の情報、午後6時34分余震発生
18：39	東京のスタジオから−上越新幹線の脱線の情報・各地の被害情報、
18：44	小千谷市役所の吉沢氏と電話−市役所内の様子、余震の発生、吉沢「今ちょっと他の電話に出ていられない状況ですので、はっきりとは聞いておりません。」 各地の被害状況
18：56	「NTTによりますと、地震の影響で全国から新潟への電話が集中して、電話の交換機の処理能力を超え、電話がかかりにくい状態が続いています。NTTは緊急の電話以外は、被災地への電話を控えるよう、呼びかけています。」
19：17	地震の被害についての安否情報については現在教育テレビとFM放送で放送しております。
19：40すぎ	長岡市対策本部恩田氏との電話　アナウンサー「現在お話しているこの電話は携帯電話ですか。」恩田「いえ、普通の一般の電話です。」アナウンサー「じゃあ長岡市役所は電話は通じているわけですね。」恩田「はい、今消防本部から電話ですけれども、消防本部は電話は通じております。」
19：57	「この地震の安否情報については、NHKの教育テレビと、そしてFM放送でお伝えしております。各地電話も殺到しております。緊急を要しない電話は避けてください。緊急出動に影響が出ます。この安否情報についてはNHKの教育テレビとFM放送で放送しています。」
19：59	NHKに寄せていただいた安否情報について、現在個人の情報について教育テレビとFM放送でお伝えしています。教育テレビとFM放送でも安否情報をご覧ください。 同内容のテロップが20:02, 20:06, 20:07, 20:08, 20:17, 20:19, 20:23, 20:40, 20:41に流され、20:57にアナウンスされる。
21:13すぎ	小千谷市役所企画財政課の吉澤氏「電話も通じもよくないんですって。」アナ「電話も通じないんですか。」吉澤「はい、あまり通じがよくないです。」
21:37	社会部近堂記者「はい、現在地震があった新潟県の地方にはですね、電話が非常にかかりづらい状況が続いています。このため被害のですね、全体像についてはまだ分かっていません。」
21:40すぎ	近堂記者「電話の方ですけどもＮＴＴ東日本によりますと現在地震があった新潟県に向けて全国から電話が集中しているため、電話交換機の処理能力を超えて電話がかかりにくい状態が続いています。ＮＴＴ東日本では地震があった地区の電柱や電話線等の通信設備について、被害がないかどうか確認を急いでいます。」 アナ「被災地では防災や救助の緊急連絡に電話が必要です。なるべく電話の利用を緊急を除いて見合わせて下さい。遠くから家族や親戚の安否等確かめる電話、必要最小限に留めて下さい。緊急連絡に支障が出ます。」 中略 近堂「先程もお伝えしたように現在新潟県方面にはですね電話が非常にかかりにくい状況が続いております。このため被害の全体像はですね、まだ分からないのが実状です。」
21:45	末田アナ「被災地では防災や救助の緊急連絡に電話が必要です。緊急を除いて電話の使用を見合わせて下さい。電話が繋がりにくくなっています。」 「なおＮＨＫに寄せて頂いた安否の情報につきましては、個人の安否については現在、教育テレビとＦＭ放送を通じてお伝えしています。個人の安否の情報については教育テレビとＦＭ放送でお伝えしています。電話が使えず連絡がとれない方等は教育テレビとＦＭ放送をご利用下さい。電話が使えず個人の情報、連絡がとれないという方、教育テレビとＦＭ放送をどうぞご利用下さい。」
21:46	ＮＨＫ長岡報道室一由貴之記者「長岡市内では電話が通じにくいため救急車よりも自家用車でけがをした方が次々と訪れています。」 一由「そうですね、皆さんラジオ等を聞いて情報を集めてらっしゃるのですが、今長岡市でですね、どこに避難すればいいのか、またはどこで食べ物等を手に入れたらいいのか、または電話が非常に通じにくいため家族や友人等とどのように連絡を取ればいいのかといったことがみなさんおっしゃっていることです。」 一由「そうですね、道路も寸断されているところもありますし電話も通じにくいということでまだまだ分かっていない被害があると思われます。
21:52	見附市の住民(作業員)「信号も全部停止になっちゃいまして、そうですね、今復旧の手はずとっていますけど全く通信手段がないんですよ。留守電も公衆電話も全部ストップしてますんで。」
21:59	なおＮＨＫに寄せて頂いた個人の安否の情報についてですが現在教育テレビとＦＭ放送でお伝えしています。個人の安否の情報について教育テレビとＦＭ放送でお伝えしています。」「電話が使えず連絡がとれない方等はこの教育テレビとＦＭ放送をご利用下さい。
22:08	一由「長岡市ですが一部で停電しているほか電話も非常に通じにくい状況になっています。
22:26すぎ	湯之谷村桜井氏「入ってきてないです。電話がまだ繋がらない状態ですし、停電が継続してありますし、」
22:29	社会部堀部記者「はい、この地震ではですね、揺れが強かった地域を中心に電話が非常に繋がりにくくなっています。このため被害の状況を全体像がなかなか把握できない状況です。
22:40	見附市の住民「全く通信手段がないんですよ。留守電も公衆電話も全部ストップしてますんで。」
23:23すぎ	見附市の住民の声「繰り返し」
23:36すぎ	長岡報道室一由記者「電話の通じづらい状況が続いています。」
23:47	社会部堀部記者「電話が非常に繋がりにくくなっています。このため被害の状況を全体像がなかなか把握できない状況なんです。」
00:20すぎ	一由「そうですね、こちらのなかなか電話が通じにくい地区がまだ残っているという関係でですね、救急車の出動等が思うようにいかないという現状が続いています。
00:40	「震度６強を観測しました小千谷市の隣の山古志村、東隣にある村ですが、管轄する警察や消防によりますと地震直後から山古志村との電話や無線が通じず、被害が把握できない状態が続いています。
01:09	アナ「ＮＨＫに寄せて頂いた個人の安否の情報については教育テレビとＦＭ放送でお伝えしています。電話が使えずに連絡が取れない方等は教育テレビとＦＭ放送をご利用下さい。」
01:37	堀部記者「はい、新潟方面をですね、中心に電話が繋がりにくいという状態は今も続いています。このため被害の状況を全体状況が把握できない状況が今も続いているんです。

 

5.4　新システム・インターネットの利用

　携帯メールを使い警報や避難勧告などの防災情報を配信するシステムが、各地の自治体で始まっている。例えば福岡市や西枇杷島町などでは主に水害を対象に、つくば市では火災情報を対象にしたシステムが駆動中で、田老町などでは津波や密漁情報を対象にした試みがなされている。また兵庫県でも津波情報や風水害時に避難勧告を伝達するシステムを計画中している。

　こうした仕組みがあったら利用したいかをたずねたところ、全体の44.5％が「わからない」としたが、33.8％の人は利用してみたいと答えている。本アンケートでは、普段から携帯メールを利用する人が全体の39％なので、携帯メールを使っている人は、ほとんどの人がこうしたサービスがあれば利用したいと考えているといえるだろう。

　図5.7　自治体による防災情報メール無料送信の仕組の利用意向(全体)

 

　一方、パソコンのインターネットは今回役に立ったのであろうか。当日の疎通状況を見ると、パソコンメールもパソコンウエッブも停電で全く使いなかったことがわかる。ノートパソコンは停電でもある程度使えるはずだが、そうした場合でもモデムが使えなかったのであろう。大災害時当日は、パソコンのインターネットは使えないのである。

 

　表5.6　地震当日、パソコンのインターネット使用状況(普段からインターネットを使う人66人のうち)

	使おうとしなかった	使おうとしたが、 停電で使えなかった	すぐにつながり、 問題なく使えた	つながりにくかったが、 使えた	つながりにくく、 全く使えなかった
パソコンメール	81.8	18.2	0	0	0
ホームページ	80.3	18.2	0	0	1.5

 

では、地震後停電が回復した期間を含めるとどうなのだろうか。災害関係の情報をホームページで閲覧したかをたたずねると、全体の10.7％(33人)が閲覧していた。これは普段からインターネットを利用している人のちょうど50％にあたる。

 

　図5.8　地震後、災害情報ホームページ閲覧の有無(全体308名のうち)

　　図5.9　閲覧したホームページ(閲覧した人33人中)

　閲覧したホームページで最もポピュラーなのは市町村のホームページである。おそらく災害ゴミの出し方や、各種手続きの状況など、生活関連情報をホームページで確かめているのであろう。役に立ち具合をたずねると、24.2％が「大変役に立った」とし57.6％が「多少役に立った」と答えている。このように、災害直後は停電で使えないが、災害後しばらく経つと、パソコンのホームページ閲覧がある程度役に立っている、といえる。

 

　図5.10　ホームページの役立ち具合(閲覧した人33人中)

 

　災害直後から使える携帯メールや携帯ウエッブと、パソコンのインターネットとは、同じインターネットでも、災害時に果たすべき役割が、かなり異なっていることがわかる。すなわちパソコンのインターネットでは安否や避難勧告など、当日の情報ニーズには応えられず、それらは携帯電話等、他のメディアに頼らざるをえないのである。

 

(注１)災害用伝言ダイヤルの利用数(主なもの)

災害名	運用期間	総利用件数	登録	再生
栃木・福島豪雨 岩手山雫石地震 高知水害 長崎豪雨 東海村原子力事故 岩手軽米RT冠水 有珠山噴火 三宅島噴火 東海豪雨 鳥取県西部地震 芸予地震 宮城県沖地震 宮城県北部地震 北海道十勝沖地震 新潟・福島豪雨 台風23号 新潟県中越地震	98年８月27日〜  12日間 98年９月３日〜   ５日間 98年９月25日〜　９日間 99年７月23日〜　４日間 99年10月１日〜　４日間 99年10月29日〜 ５日間 00年３月29日〜 134日間 00年６月26日〜 223日間 00年９月12日〜　34日間 00年10月６日〜  34日間 01年３月24日〜　８日間 03年５月26日〜　17日間 03年７月26日〜　33日間 03年９月26日〜　22日間 03年７月13日〜　７月30日 04年10月20日〜　11月10日 04年10月23日〜　12月24日	61,000 　　8,000 　 22,000 　　　385 　　6,360 　　1,110 　 16,541 　　5,534 　 43,501 　199,437 　 86,981    65,700    40,000    37,700 　 12,500    24,800   354,600	24,700 　5,000  10,021 　　159 　1,888 　　600 　5,800 　1,648  27,646 130,790  33,915  19,600   9,800   9,300 　3,300   9,600 112,700	36,300 　3,000  12,755  　226 　4,472  　510  10,741 　3,886  15,855  68,647  53,066  46,100  30,200  28,400 　9,200  15,200 241,900

(中村功)

６．精神的健康状態

6.1精神的健康状態の実態

災害は、被災者や救援者に負の精神的影響を与える。直接的には災害による人的被害や物的被害が原因となるが、同時に世界観の動揺をもたらすことも起因している。さらに長期的には、復興の遅れに起因する不全感も好ましくない精神的な影響をもたらす。このような精神的健康状態を測定する尺度として、GHQ(General Health Questionnaire：精神健康調査票)が用いられることが多い。

GHQは、軽度の精神症症状およびその関連症状の診断を目的としてGoldbergによって開発され、精神障害のスクリーニングのみならず精神的健康状態の指標など広く用いられている。日本版（中川・大坊,1985）ほか世界各国で標準化されている。元々は60項目からなるが、12項目版、28項目版など簡易版が作成されており、なかでも12項目版は簡便でかつ信頼性も高いことから多くの研究に利用されている（本田ほか、2001）。今回は、質問紙調査ということもあり、質問項目は12項目版に準拠したが、本来は４件法（1.まったくなかった　2.あまりなかった　3.あった　4.たびたびあった）で評定させるものを２件法（1.あった　2.なかった）で質問した。

 

図6.1　十日町調査における精神的健康状態（項目別）

　図6.1に12項目別の結果を示した。図中の値は各項目の選択率で、「いつもよりストレスを感じた」人が43％と一番多く、ぎゃくに「問題を解決できなくて困った」人が5％と一番少ない。図左側の「心配事があってよく眠れない」（40％）や「何かをする時にいつもより集中することができなかった」(32％)、「いつもより日常生活を楽しく送ることができなかった」(29%)、「いつもより気が重くてゆううつになる」(26%)などの選択率が高い傾向がみられる。

 

図6.2　仮設入居者、十勝沖地震調査との比較（項目別）

 

　この傾向は十勝沖地震（吉井ほか、2003）と類似している。十勝沖地震では「いつもより日常生活を楽しむことができた」か等6項目では「よくあった」から「まったくなかった」までの正規の４件法で聞いており、今回の「いつもより日常生活を楽しむことができなかった」かに対する「はい−いいえ」とは単純には比較できない。そこで、比較可能な6項目のみ図中▲で示したが、太線で示した今回の十日町調査と似た傾向を示していることがわかる。新潟県中越地震で十日町の住民が受けた精神的ダメージは十勝沖地震と同程度であったと言える。

　ところが、同じ新潟県中越地震の被災者でも、細線で示した川口町ならびに小千谷市の仮設住宅入居者は、全般に選択率が高いことがわかる。全般に精神的健康状態はわるいことをしめしている。なかでも、ストレスや日常生活を楽しめない、気が重いといった項目では顕著に選択率が高くなっている。このことは、今回用いた簡易版でも弁別力があることを示しており、またその違いは被害の程度あるいは被災生活状態によることが予想される。

そこで、次に被害状況や復興状況などの項目との関係をみたのが、表6.1である。12項目のうち当てはまると答えた項目数と、被害の程度や復興の程度を順序尺度とみなして、相関係数を求めた結果である。

5.2地震被害と精神的健康状態

「地盤被害」があった人ほどＧＨＱ得点が高い。また、「車中泊の期間」が長い人ほどＧＨＱ得点は高い。つまり、これらの人では、精神的健康状態は悪いことになる。今回の震災で問題となった車中泊は、実際に精神的にストレスを生んでいたと考えられる。一方、「住居被害状況」とＧＨＱとの間には相関は見られない。ちなみに全壊・大規模半壊・半壊の人と一部損壊・被害なしの２グループに分けてみても、ＧＨＱに大きな差は認められない。これは、一損壊が87％を占めており、全半壊の人が少なかったことが一因と考えられるが、ここでは確定できない。同様に「けがをした」かどうかも優位な相関はみられないが、これも幸いに97％の回答者が負傷せずに済んだためであろう。

表6.1　ＧＨＱとの相関総括表

 

「大きな余震が続いたことへの恐怖」が強かった人ほどＧＨＱ得点は高い。被害の程度同時に、少なくとも今回の地震では余震の揺れへの恐怖が精神的健康状態に悪影響を及ぼしていたことがわかる。さらに、この地震が起こる前に「住んでいる地域で大きな地震が起きると思って」いなかった人ほど精神的影響は強い。地震発生を予期しておらず、心的な構えがなかった分、恐怖も強かったためであろうと考えられる。

これらの結果を見ると、今回の調査地域では被害そのものよりも車中泊や恐怖の影響が強かったことになる。これらを総合的に見ると、車中という物理的狭さや被害だけではなく、その背景に、車中泊を選択せざるをえなかった余震への恐怖や対策の不公平感も寄与していると考えられる。自由回答の内容から見ると、車中泊をした人は、物資の配給や情報の提供に不公平感を抱いている人が多かったからである。

 

6.3対策評価と精神的健康状態

　災害による精神的な影響は、被害や地震の揺れへの恐怖だけではない。避難所生活のストレスや復興の遅れに起因する焦り、取り残され感なども大きいことが予想される。ただし、今回の十日町町では、自宅被害の軽微だった人が多く、復興については調査していない。参考までに図6.3，図6.4に示したように、川口町・小千谷市の仮設住宅入所者を対象とした調査（東京大学大学院情報学環廣井研究室）結果では、復興に不安を感じている人ほどＧＨＱが悪いという結果を得ている。つまり、「今後どうやって生活すればいいのか、将来、漠とした不安がある」人ほど、「家を再建できる見込みがなく、困っている」人ほど、精神的健康状態は悪いのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図6.3　将来の不安とＧＨＱ（川口・小千谷調査）

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図6.4　再建のめどとＧＨＱ（川口・小千谷調査）

　ここでは、応急対策への不満と精神的健康状態についてみると、今回、被害認定や救援物資の配給、情報の提供に不満を抱いた人が比較的多かった。これらの不満は精神的に悪影響を及ぼしそうだが、実際には行政の対策に関して不満があるとした人とないとした人とでＧＨＱに差は認められなかった。他方、マスコミの報道が「地域が偏っていて、救援物資が届く場所と届かない場所が出てきた」と受け止めている層では、ＧＨＱ得点の低い人の比率は低く、中程度の比率が高い。救援物資の偏りがマスコミの報道によるかどうかは別として、主観的にそう認知した人にストレスを感じた人が多かったことになる。

　前項の車中泊についての分析でも述べたように、対策の不公平感が精神的なストレスを強めている可能性がある。

 

中川泰彬・大坊郁夫、1985、『精神健康調査手引』、日本文化科学社

本田純久・柴田義貞・中根允文、2001、「ＧＨＱ−12項目質問紙を用いた精神医学的障害のスクリーニング」、『厚生の指標』、48巻10号、5-10頁

吉井博明ほか、2004、「十勝沖地震調査報告書」

(田中淳)

 

調査項目（最終稿）平成17年1月30日   新潟県中越地震に関する調査 (十日町市版)

東洋大学社会学部　中村研究室

東京大学情報学環　廣井研究室

(N=313)

訪問日

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／

／

SEQ

 

A．　まず、当日のことについてお聞きします

 

問1　この地震によって、あなたのお住まいではどんな被害がありましたか。あてはまるものを1つ選んでください。

「全壊」だった	0.3
「大規模半壊」だった	2.6
「半壊」した	5.4
「一部損壊」だった	86.9
建物に被害はなかった	4.8

 

問2　お宅では、地盤に被害がありましたか。あてはまるものを1つ選んでください。

地盤の被害があった	24.9
地盤の被害はなかった	75.1

 

問32　あなたは、地震でけがをしましたか。

した	2.9
しない	97.1

 

問4　最初の地震（10月23日午後5時56分）が起こったとき、あなたはどこにいましたか。あてはまるものを1つ選んでください。

自宅			73.8
屋外にいた			7.0
乗り物で移動中だった			7.3
その他			10.2
地震当時、中越地方にいなかった　→問14へ			1.6

 

(N=308)

 

問5　地震が起こったとき、あなたの体はどんな状態になりましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

体が飛んだ	8.1
倒れたり転んだりした	17.2
壁や天井にぶつかった	3.6
その他	9.4
無回答	63.0

 

 

問6　地震が起こったとき、あなたはどうしましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

その場でじっとして様子をみていた	48.7	家の中の物が飛んできて、体に当たった	3.2
全く動けなかった	27.9	屋外に飛び出した	46.8
机やテ―ブルの下にもぐった	6.5	懐中電灯を探した	24.0
ドアや窓を開けた	6.8	屋外にいたので建物の中に入ろうとした	1.3
家具に挾まれたり、下敷きになったりした	―	覚えていない	0.3
頑丈なものにつかまって身をささえた	21.1	その他	8.4

 

問76　地震が起こったとき、お宅では、何か火を使っていましたか。

火を使っていた	28.2
火を使っていなかった	71.8

 

付問7―1　（問7で「1．火を使っていた」とお答えした方にお聞きします）(N=87)

地震の際、あなた、あるいはあなたのご家族は火の始末をしましたか。あてはまるものを次の中からいくつでも選んでください。

揺れている最中に火を消した	75.9
揺れが終わってから火を消した	4.6
自動的に消えた	26.4
火を消そうと思ったが、すべてを消すことができなかった	3.4
火は消さなかった	―
その他	―

 

問87　地震が起こった後、お宅は停電しましたか。(N=308)

停電した	99.4
停電しなかった	0.6

 

付問8―1　（問8で「1．停電した」とお答えした方にお聞きします）(N=306)

停電はどのくらい続きましたか。

当日のみ	9.2
１〜２日間（当日復旧を除く）	49.3
３〜４日間	33.7
５日以上	7.8

 

(N=308)

問98　地震が起こった10月23日の夜、あなたはどこですごしましたか。あてはまるものを1つ選んでください。

自宅の家の中	4.9
車の中	72.1
自宅の屋外（庭・ガレ―ジなど）	3.6
市・町内の親戚・知人の家	1.0
市・町外の親戚・知人の家	0.3
市・町が指定した避難場所	12.3
その他	5.8

 

 

問109　地震が起こった日の夜、あなたが困ったことは何ですか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

家が壊れて家にいられなかった	8.8	ラジオを聴くことができなかった	5.2
余震が怖くて家に入れなかった	77.6	食事	39.0
避難する場所がなかった	7.1	交通機関がマヒした	6.2
電気が止まった	82.8	暖房	31.2
ガス・水道が止まった	67.9	寝具	16.6
電話が通じなかった	61.7	トイレ	53.6
携帯電話が通じなかった	39.9	道路が壊れて、動けなかった	3.6
携帯電話の電池切れ	8.4	その他	3.6
家族・知人の安否が分からなかった	28.2	何も困ったことはなかった	0.6
テレビを見ることができなかった	46.4	留守宅への泥棒が心配だった	7.8

 

問11　地震が起こった日の夜、あなたはどんな情報を知りたいと思いましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

地震の規模・発生場所・震度	66.9		どの病院にいけばよいか	4.2
余震の今後の見通し	73.7		具体的にどう行動すればよいか	27.6
地震の全体の被害	42.5		避難場所	16.2
家族・知人の安否	45.5		電話・携帯電話のつながり具合	27.9
火災の状況	8.1		その他	1.3
市役所や町役場がどんな対応をしているか	24.7		知りたい情報はなかった	1.6
水や食料	42.2

 

 

問12　地震が起こった日の夜、知りたい情報を主に何から得ましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

カ―ラジオ	61.0	近所の人たちとの会話	28.2
カ―ナビのテレビ	6.8	その他	3.2
家のテレビ	―	知りたいことはなかった	1.3
携帯ラジオ	42.9	無回答	2.9

 

 

問13　地震が起こった日の夜、主にどの放送局を見たり聞いたりしましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

ＮＨＫテレビ	9.7
ＮＨＫラジオ	68.2
ケ―ブルテレビ	―
民放テレビ	3.2
民放ラジオ	31.5
何も見たり、聞いたりしなかった	15.6

 

付問13　（問13で1．〜5．とお答えした方にお聞きします）(N=260)

地震が起こった日の夜、テレビ・ラジオからの情報を、あなたはどのように感じましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

具体的にどう行動すればよいかを、もっと伝えてほしかった	37.7
自分の住んでいる地域の被害状況を、もっと伝えてほしかった	61.5
自分の居住地域以外の被害状況について、もっと伝えてほしかった	16.9
自分の居住地域の自治体の対応について、もっと伝えてほしかった	29.2
電話や携帯電話のつながり具合について、もっと伝えてほしかった	19.6
余震に関する情報をもっと伝えてほしかった	50.8
気をつけること、起こりうることについてもっと伝えてほしかった	24.6
その他	0.8
無回答	1.9

 

 

B．　次に、避難生活についてお聞きします

問14　地震から1週間後で、あなたが困ったことは何ですか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

余震が怖くて家に入れなかった	36.7	留守宅への泥棒が心配だった	6.2
電気が止まった	12.3	入浴	43.2
ガス・水道が止まった	24.7	体調	23.7
食事	18.5	ゴミや廃棄物の処理	17.5
交通機関がマヒした	5.8	ペット	4.9
暖房	7.5	携帯電話の電池切れ	3.6
避難する場所がなかった	0.6	ガソリン	7.8
寝具	1.6	その他	7.1
トイレ	15.9	何も困ったことはなかった	16.6

 

問15　地震から1週間後で、あなたはどんな情報を知りたいと思いましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

地震の規模や発生場所	22.4	病気予防や体調管理	11.0
震度	12.3	トイレ	5.2
余震の今後の見通し	81.8	入浴	14.9
地震の全体の被害	24.7	預貯金の引き出し	1.0
水道・ガス・電気の復旧	19.8	保険・罹災証明など	8.4
交通機関や道路の状況	28.9	学校	6.8
水・食料・生活物資の状況	21.1	市役所や町役場の対応	21.1
ガソリンスタンド	3.9	ゴミや廃棄物の処理	18.8
病院や薬品	8.1	その他	1.6
		知りたい情報はなかった	3.6

 

 

問16 この地震の直後、あなたは、自宅や敷地を離れて、どこに避難しましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

市・町が指定した避難場所	29.5
車の中	79.9
市・町内の親戚・知人の家	3.9
市・町外の親戚・知人の家	3.6
その他	10.7
避難しなかった	3.2

 

付問16―1　（問16で、「1．市・町が指定した避難場所」とお答えした方にお聞きします）(N=91)

公的避難所に避難しているとき不便や不満を感じたことがありますか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

プライバシ―	17.6	食事や飲料水	26.4
人間関係	13.2	暖房	34.1
騒がしさ	25.3	交通	―
なんとなく落ち着かなかった	48.4	風邪・インフルエンザ	8.8
風呂	38.5	電話	14.3
洗濯	19.8	情報入手	17.6
トイレ	42.9	マスコミ取材	1.1
寝具	13.2	その他	3.3
		特に不便に感じることはなかった	5.5

 

 

付問166―2　（問166で、「2．車の中」とお答えした方にお聞きします）N=246)

あなたは、どのくらいの期間、車の中で寝泊りしましたか。　

３日以下	69.5
４〜６日間	23.2
７〜９日間	6.1
１０〜１３日間	1.2
１４日以上	―

 

付問166―3　（問1616で、「2．車の中」とお答えした方にお聞きします）N=246)

なぜ、車で寝泊りしたのですか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

自宅のそばにいたかったから	56.9
情報が得やすかったから	19.9
泥棒を警戒して	3.7
暖を取りやすかったから	34.6
避難所がいっぱいで入れなかったから	13.0
余震が続くから	63.0
建物の中にいるのが恐かったから	71.1
プライバシ―が守られるから	16.7
乳幼児や病人がいて避難場所に居づらかったから	6.9
快適だから	1.2
その他	9.3

 

 

付問16―4　（問16で、「2．車の中」とお答えした方にお聞きします）(N=246)

あなたは、車中に避難して、次のようなことがありましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

体調を崩した	21.1
トイレに行けなくて困った	26.8
市や町からの情報が入ってこなかった	27.2
プライバシ―が守られた	19.5
快適だった	1.6
余震に対して安全だった	48.0
無回答	11.8

 

付問16―5　（問16で、「2．車の中」とお答えした方にお聞きします）(N=246)

あなたは、車に避難してよかったですか。

車に避難して、よかった	54.5
避難所に避難した方がよかった	4.1
どちらともいえない	41.5

 

(N=308)

 

問17　今回の地震のあと、温泉地に無料で避難することができました。このような温泉地に避難しましたか。あてはまるものを1つ選んでください

避難した	1.9
避難しなかった	76.0
知らなかった	22.1

 

 

付問17―1　（問17で、「2．避難しなかった」とお答えした方にお聞きします）(N=234)

なぜ、避難しなかったのですか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

もともと避難する必要がなかったから	43.2
仕事があったから	27.8
情報が得にくくなると思ったから	3.0
泥棒を警戒して	1.3
いきたくても申込み条件にあわなかったから	3.4
自分たちだけ良い思いをするのは周りに対して申し訳ないと思った	4.7
顔見知りの人たちと一緒にいたかったから	6.8
この土地を離れたくなかったから	23.1
なんとなく温泉に行く気分になれなかったから	28.6
他のことで頭がいっぱいだったから	19.7
家族の都合があわなかったから	11.1
その他	8.1
無回答	0.9

(N=308)

問188　あなたは次のようなことを避難場所での生活で体験しましたか。あてはまるものを、いくつでも選んでください。

トイレが心配で、水を飲むのを控えた		21.4
常用していた薬が無くなり困った		1.9
避難生活で足腰が弱った		4.9
避難所で、段差や階段があって動くのに困った		0.3
メガネ、補聴器、杖などが使えなくなった		0.3
避難生活で体調を崩して医者にかかった		3.2
ほかの人より行動が遅く、気がねした		1.6
無回答		71.1

 

★小千谷・川口のみ

 

 

問19　あなたは仮設住宅に入居していますか。

入居している	0.3
入居していない	99.7

 

C．　地震の報道についてお聞きします　(N=308)

 

問20　あなたは、地震当日のNHKの安否放送を見たり聴いたりしましたか。

見たり聴いたりした	35.4
見たり聴いたりしなかった	64.6

付問20―1　（問20で、「1．見たり聴いたりした」とお答えした方にお聞きします）(N=109)

安否放送についてどう思いましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

親戚や知人の安否がわかった	8.3
親戚や知人と連絡を取るきっかけとなった	8.3
多くの人々が心配してくれている様子を知ることができてよかった	70.6
実際の安否が流されなかったので、役に立たなかった	14.7
無回答	6.4

(N=308)

 

 

問21　「安否情報よりも被災地向けの身近な被災状況や生活情報をもっと伝えたほうがよい」という意見があります。　

あなたは、どう思いますか。あてはまるものを1つ選んでください。

そう思う	64.3
そう思わない	9.7
わからない	26.0

 

 

問2222　放送局や新聞社が提供する生活情報は、役に立ちましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

ＮＨＫラジオで定期的に放送している生活情報	39.9
ＢＳＮラジオの「中越地震情報ステ―ション」	24.7
ＦＭ新潟の生活関連情報	12.0
テレビで放送している生活情報	39.6
新聞の生活関連情報	28.2
全国紙の地方版に掲載された生活情報	13.0
コミュニティＦＭ	8.1
その他	1.0
無回答	18.2

 

問23　あなたは、今回の地震におけるテレビ・ラジオ・新聞の報道をどのように評価しますか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

地域が偏っていて、自分の住んでいる地域についての情報が少ない	44.8
地域が偏っていて、救援物資が届く場所と届かない場所が出てきた	49.7
マスコミがたくさん来て、迷惑だった	1.9
被災者にカメラを向けて、まるで見世物のような扱いだった	5.2
役場にマスコミが押しかけ、相談しにくかった	0.3
ＮＨＫによる２４時間災害キャンペ―ン番組は意味がなかった	3.9
避難生活等、被災地の住民が求めている肝心な情報が少なかった	20.1
東京で地震が発生した場合の被害想定などを放送するのは不愉快だ	13.6
被害の画面や写真をあまり見たくなかった	7.8
無回答	21.1

 

D．　電話・インタ―ネットについてお聞きします

 

問24　地震当日、あなたは電話や携帯電話を使おうとしましたか。また、それらはどのくらい使えましたか。それぞれ1つずつ選んでください。(N=308)

	固定電話 (%)	公衆電話 (%)	携帯電話・ ＰＨＳ（音声） (%)	携帯メ―ル (%)	ＩＰ電話 (%)
すぐにつながり、問題なく使えた	2.9	1.0	0.6	7.1	―
つながりにくかったが、使えた	8.4	1.3	19.2	22.4	―
つながりにくく、全く使えなかった	59.1	1.9	35.1	9.7	1.0
使おうとしなかった　普段から使わない	29.5	95.8	45.1	60.7	99.0

災害時に電話が込み合って使えない時に、安否を伝えるために、

固定電話には、 「災害用伝言ダイヤル（171）」 というサ―ビスが、

携帯電話には、 「iモ―ド災害用伝言板」 というサ―ビスがあります。

 

問25　あなたは、固定電話の「災害用伝言ダイヤル（171）」を知っていますか。

知っている	31.8
知らない	68.2

 

固定電話の「災害用伝言ダイヤル（171）」を知っている方にお聞きします。(N=98)

 

付問25―1　災害用伝言ダイヤルをいつ知りましたか。あてはまるものを1つ選んでください。

今回の地震の前から	30.6
今回の地震のとき	58.2
最近になって	11.2

 

付問25―2　災害用伝言ダイヤルの使い方を知っていますか。あてはまるものを1つ選んでください。

知らない	43.9
少しだけわかる	41.8
だいたいわかる	14.3

 

付問25―3　災害用伝言ダイヤルは、連絡をとるのに役に立ちましたか。あてはまるものを1つ選んでください。

使わなかった	95.9
使ったが、役にたたなかった	1.0
使って、役にたった	3.1

 

付問25―3―1　（付問25―3で、「1．使わなかった」とお答えした方にお聞きします）(N=94)

なぜ使わなかったのですか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

存在を知らなかった	21.3
安否を伝えることに気がまわらなかった	12.8
つながらないと思った	8.5
使い方がわからなかった	24.5
相手が使うとは思えなかった	36.2
その他	9.6
無回答	1.1

 

(N=308)

問26　あなたは、携帯電話の「iモ―ド災害用伝言板」を知っていますか。

知っている	15.9
知らない	84.1

 

携帯電話の「iモ―ド災害用伝言板」を知っている方にお聞きします。(N=49)

 

付問26―1　 iモ―ド災害用伝言板をいつ知りましたか。あてはまるものを1つ選んでください。

今回の地震の前から	10.2
今回の地震のとき	67.3
最近になって	22.4

 

付問26―2　 iモ―ド災害用伝言板の使い方を知っていますか。あてはまるものを1つ選んでください。(N=49)

知らない	44.9
少しだけわかる	24.5
だいたいわかる	30.6

 

付問26―3　 iモ―ド災害用伝言板は、連絡を取るのに役に立ちましたか。あてはまるものを1つ一つを選んでください。(N=49)

使わなかった	89.8
使ったが、役に立たなかった	6.1
使って、役にたった	4.1

 

付問26―3―1　（付問26―3で、「1．使わなかった」とお答えした方にお聞きします）(N=44)

なぜ使わなかったのですか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

存在を知らなかった	25.0	使い方がわからなかった	18.2
安否を伝えることに気がまわらなかった	4.5	相手が使うとは思えなかった	27.3
つながらないと思った	4.5	メ―ルが使えたから	40.9
		その他	6.8

 

(N=308)

問27　あなたは、この地震の直後、テレビやラジオでこれらの仕組みについて、見たり聞いたりしましたか。あてはまるものを1　つ選んでください。

固定電話「災害用伝言ダイヤル」について、見たり聞いたりした	27.3
携帯電話「ｉモ―ド災害用伝言板」について、見たり聞いたりした	10.7
無回答	65.6

 

問28　最近、携帯メ―ルを使って防災情報を伝達する自治体が出てきました。これはインタ―ネットなどであらかじめ登録しておくと、避難勧告などの防災情報が自治体から無料で携帯メ―ルに送られてくる仕組みです。もし、あなたの市・町でこうした仕組みがあったら、あなたは利用してみたいですか。

利用してみたい	33.8
利用しようとは思わない	21.8
わからない	44.5

 

問29　あなたは普段、パソコンのインタ―ネットを使いますか。

使う	21.4
使わない	78.6

 

付問29―1　（問29で、「1．使う」とお答えした方にお聞きします）(N=66)

地震当日、あなたは、パソコンのメ―ルやホ―ムペ―ジを使おうとしましたか。また、それらはどのくらい使えましたか。それぞれ1つずつ選んでください。

	パソコンメ―ル(%)	ホ―ムペ―ジ(%)
使おうとしなかった	81.8	80.3
使おうとしたが、停電で使えなかった	18.2	18.2
すぐにつながり、問題なく使えた	―	―
つながりにくかったが、使えた	―	―
つながりにくく、全く使えなかった	―	1.5

(N=308)

問30　災害情報を伝えるホ―ムペ―ジがいろいろありましたが、地震後、それらを見たことがありますか。

見たことがある	10.7
見たことはない	89.3

 

付問30―1　（問30で、「1．見たことがある」とお答えした方にお聞きします）(N=33)

あなたはどのようなホ―ムペ―ジを見ましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

市や町のホ―ムペ―ジ	81.8
ボランティア団体のホ―ムペ―ジ	18.2
その他の機関のホ―ムペ―ジ	24.2
個人のホ―ムペ―ジ	15.2
その他	―

 

付問30―2　（問30で、「1．見たことがある」とお答えした方にお聞きします）(N=33)

そうしたホ―ムペ―ジは役に立ちましたか。

大変役に立った	24.2
多少役に立った	57.6
あまり役に立たなかった	18.2
全く役に立たなかった	―

 

 

E．　地震の情報についてお聞きします

(N=313)

 

問31　大きな余震が続いたことについて、あなたはどのように感じましたか。あてはまるものを1つ選んでください。

非常に恐かった	81.2
やや恐かった	17.9
あまり恐くなかった	1.0
全く恐くなかった	―

 

問32　気象庁では、最初の地震の直後に「3日以内にマグニチュ―ド6以上の余震の発生する確率が10%」というような余震発生の見通しを発表しました。あなたはこれを聞きましたか。

聞いた	76.4
聞かなかった	23.6

 

付問32―1　（問32で、「1．聞いた」とお答えした方にお聞きします）(N=239)

あなたはこれをどう受け取りましたか。あてはまるものを1つ選んでください。

確率は高いと思った	81.2
確率は低いと思った	14.2
意味がわからなかった	3.3
無回答	1.3

 

付問32―2　（問32で、「1．聞いた」とお答えした方にお聞きします）(N=239)

発表された余震の見通しについて、あなたにあてはまるものをいくつでも選んでください。

余震に対して心の準備ができた	46.0
避難するかどうかの判断基準となった	23.0
避難を終えるかどうかの判断基準となった	12.6
自宅にものを取りに行くかどうかの判断基準になった	17.6
安心した	4.2
不安になった	71.1
確率で示されても、どう行動してよいのか分からなかった	33.5
余震に注意といわれても、どう行動してよいのか分からなかった	42.3
もともと揺れが怖くて家には居られなかったので意味がなかった	9.2
その他	2.5

 

 

付問32―3　（問32で、「1．聞いた」とお答えした方にお聞きします）(N=239)

あなたにとってそれは役に立ちましたか。あてはまるものを1つ選んでください。

大変役に立った	24.7
多少役に立った	53.1
あまり役に立たなかった	21.3
全く役に立たなかった	0.8

(N=313)

問3332　余震の見通しは確率で発生されしました。これからも余震の発生確率の発表を望みますか。あてはまるものを1つ選んでください。

今まで通りのパ―セントの数値で、発表してほしい	35.1
Ａ、Ｂ、Ｃのようなランク分けで、発表してほしい	5.4
「可能性が非常に高い」などの表現だけで、発表してほしい	8.0
パ―セントとともに「可能性が非常に高い」等の表現も必要	40.3
発表する必要はない	1.6
その他	0.6
わからない	8.9

 

 

問34　次に、震度についてお聞きします。あなたは震度について、どのように考えていますか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

震度の発表が遅れたり、間違えることは、あってはならないと思う	47.9
震度でイメ―ジされる被害と、実際の被害には差があると思う	61.0
川口町震度７の発表までは、川口町の報道が少なく偏っていた	35.8
震度５や６の「強」「弱」という表現はわかりにくい	30.7
揺れの激しさを体感でわかっているので、震度の情報は重要でない	2.9
無回答	4.5

 

 

             

問35　この地震が発生する何日か前に、政府の地震調査推進本部が、「長岡平野西縁断層帯」という長岡にある断層の存在を発表しました。あなたはこのことを知っていましたか。

知っていた	4.5
知らなかった	95.5

 

F．　あなたのお考えや体験についてお聞きします

 

 

 

問36　この地震が起きる前に、あなたの住んでいる地域で大きな地震が起きると思っていましたか。

思っていた	1.3
少し思っていた	13.7
あまり思っていなかった	32.6
まったく思っていなかった	52.4

 

問376　あなたは、この地震で何か「うわさ」を聞きましたか。具体的にお答えください。

 

問38　お宅では、この地震が発生する前に、次のような対策をしていましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

耐震補強	2.9
家具の固定	6.7
非常持ち出し用品の用意	12.1
無回答	80.2

 

付問38―1　（問38で、「3．非常持ち出し用品の用意」とお答えした方にお聞きします）(N=38)

非常持ち出し用品は持ち出せましたか。

出せた	52.6
持ち出せなかった	47.4

 

(N=313)

 

問39　あなたは、自宅から非常持ち出し用品が持ち出せないことを考えて、あらかじめ地域や避難場所での水や食糧の備蓄を考えたほうがよいと思いますか。

思う	85.6
思わない	13.1
無回答	1.3

 

 

問40　この災害のあと、あなたは次のようなことをしましたか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

位牌を取りに行った	3.8	思い出の品・遺品を持ち出した　　4.2
墓を見に行った	56.2	無回答　　　　　　　　　　　　　　　　41.5
アルバム・写真を持ち出した	1.3

 

問41　あなたの心身の状態を伺います。最近の状態について、あてはまるものをいくつでも選んでください。

何かをする時に、いつもより集中できなかった	32.3
心配ごとがあって、よく眠れなかった	40.3
いつもより自分のしていることに生きがいを感じられなかった	7.7
いつもより容易に物ごとを決められなかった	9.9
いつもよりストレスを感じた	43.5
問題を解決できなくて困ったことがあった	4.8
いつもより日常生活を楽しく送ることが、できなかった	29.1
いつもより問題を積極的に解決しようとすることができなかった	9.6
いつもより気が重くて、憂うつになることがあった	25.9
自信を失うことがあった	6.4
自分は役に立たない人間だと、考えることがあった	6.4
いつもより幸せと感じられなかった	10.5
無回答	23.3

 

 

G．　次に、災害への対応についてお聞きします

(N=313)

問42　行政の対応について、よかった点は何だと思いますか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

比較的すぐに避難所に入れたこと	12.8
食料の配給開始が早かったこと	34.8
給水車が早く来たこと	33.9
自衛隊が早く来たこと	17.9
他の市町村からの応援が来たこと	21.1
家屋被害認定が早かったこと	9.3
ボランティアへの対応がよかったこと	23.0
行政からの情報が十分だったこと	7.0
その他	2.2
無回答	28.4

 

問43　行政の対応について、悪かった点は何だと思いますか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

避難所の開設が遅れたこと	7.3
食糧配給が遅れたこと	23.6
給水車が遅かったこと	16.0
自衛隊の対応が遅かったこと	2.2
他の市町村からの応援が遅れたこと	2.9
家屋被害認定の基準が不満なこと	20.4
ボランティアへの対応が悪かったこと	2.6
行政からの情報が不十分だったこと	43.5
その他	4.2
無回答	36.4

 

問44　今回の地震について、行政・公共機関・報道機関に対して意見や希望がありましたらお書きください。

 

H．　最後に、あなたご自身のことをお聞きします

(N=313

F1．あなたの性別は。

男性	44.1
女性	55.9

 

F2．あなたの年齢は。

２０歳代	5.8	５０歳代	25.2
３０歳代	10.2	６０歳代	23.6
４０歳代	14.7	７０歳代以上	20.4

 

F3．あなたの職業は何ですか。

自営業者	11.2	経営・管理的職業	1.9
専門的・技術的職業	10.5	農・林・漁業従業者	3.2
事務従業者	4.2	主婦（パ―ト・アルバイト）	10.5
販売従業者	2.2	専業主婦	13.4
職人・熟練作業者	4.8	学生	0.3
生産工程従業者	5.4	その他	1.6
サ―ビス的職業	7.0	無職	23.6

 

F4．あなたは普段、次のような通信サ―ビスを利用しますか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

携帯電話・ＰＨＳの音声	53.0
携帯メ―ル	39.0
携帯ウエッブ（ｉモ―ドなど）	8.6
無回答	44.1

 

付問F4―1　（F4で、1．〜3．のどれかを選んだ方にお聞きします）(N=175)

あなたは普段、次のような通信サ―ビスを利用しますか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

ＮＴＴドコモ	82.3
ａｕ	10.9
ボ―ダフォン	8.0
ツ―カ―	0.6
ＰＨＳ（ＤＤＩポケット・アステル等）	0.6

 

(N=313)

 

F5　あなたのご家族は何人ですか。

１人	1.3
２人	18.8
３人	19.5
４人	18.8
５人以上	41.5

 

 

F6　お宅には、あなた自身も含めて、災害時に避難するときなど、援助あるいは支援が必要な方はいますか。あてはまるものをいくつでも選んでください。

乳幼児・小学校低学年児	22.0
１人での避難が困難な高齢者	12.8
寝たきりの方、または障害・病気などで１人での避難が困難な方	9.9
その他	0.6
そのような人はいない	59.7

 

F7　地震当時、お宅では車を何台お持ちでしたか。

０台	4.8
１台	23.6
２台	39.9
３台	20.4
４台以上	11.2

 

F8　地震当時、あなたのお住まいは次のうちどれでしたか。

持ち家	94.9
借家	1.9
マンション（所有）	―
マンション（賃貸）	0.3
アパ―ト	2.6
公営住宅	0.3

 

 

F9　地震当時、お住まいの地区はどこでしたか（番地は不要です）。

小千谷市	―
川口町	0.3
十日町市	99.7

 

 

ありがとうございました。

皆さまのご回答を、今後の防災、災害対策に役立てていきたいと存じます。